【歌い手】本性、バレちゃいました。

０２６ ページ28

『ん、……』









ぱちっと目を開ける。


まず最初に見えたのは天井。そして右手がチクチクする。


…いや、チクチクっていうかヂクヂクっていうか…………待て待て本気で痛くなってきたぞいっ、いっったいなおい←









とりあえずむくっと起き上がると、右手にはガラスの破片が入った袋を握りしめていた。

そりゃ痛いよな。









『え、私キッチンで寝てた……？』




大方、ガラスの破片を拾い終えて気が抜けたところで睡魔に負けたんだろうけど。


だからって床で寝るのは無いだろ、自分。

全身が今「うおおおぉっ、いっっってええぇ！」って叫んでるよ((









痛む背中やら肩やら右手やらを擦りつつ、のそのそと立ちあがる。


時計は12時半を指していて、結構寝てたな、と思う。









………にしてもさ。


…静かじゃね？









長所：賑やか・短所：うるさいみたいなこのシェアハウスが、昼からこんな静かなわけない。



………たった一つの可能性を除いては。









すぐそこのリビングに向かうと、案の定机の上には置き手紙。









＜Aちゃん気持ちよさそうに寝てたから、起こさずに他のメンバーで出かけてるで！
俺の割った皿を買うのと、昼御飯も外で食べるから作らなくて大丈夫！
夜ご飯の材料は俺らが買ってくるで。
あと、俺の体調はもう回復したよ。心配かけてごめんな……？





P.S まふはひきこもったまま

luzより＞









『……………………』









綺麗なluzさんの字が、最後の一行で憎く思えてしまったのは、不可抗力ってやつである。









・









『どうしてくれるんだこの状況……』









*

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