13話 ページ14
「またぁ！？」
最近本当に出現率高くない？
タダでさえも緊急事態だというのに、更に起きた災難へとそう思えば、オレはキーブレードを出してその人達に言った。
「取り敢えずアンタらは早く行って！
喧嘩は終わり！ ハートレスもいるからココは危ないの！」
「小娘、その武器は……」
突然オレの手元に出現したキーブレードに驚いているのだろう。
それでも守る為には答える余裕も無くて、割と沢山いるハートレス達のもとへと走り出す。
「……っうりゃあ！」
そして、そいつらの目の前へと出れば、手当たり次第にキーブレードを振るって数匹倒した。
けれどもまだまだ残っていて。蠢くハートレス達はオレを視認するなり、今度は飛び掛かってくる。
「食らうもんか！」
そこで、オレはリフレクを展開してその攻撃を防いだ後に、トドメのサンダガを唱えた。
「___よしっ！ 終わりー！」
走る稲妻はオレの側にいたハートレス達を痺れさせ、次々と消滅させていく。
どうやらこれにて戦況も落ち着いた様で、これ以上ハートレスが姿を現わす事は無かった。
「……ってアンタら何で逃げてないの！？」
倒れてる人の安否を確認しようと振り向けば、三人の男の人達は泰然としてこちらを見守っていた模様。
何だか興味深そうな面持ちをしてオレの側に近寄って来るなりその人達はオレを見下ろした。
……というか結構不思議な格好してるよな！
身体に刃物刺さってるけど痛くねーのかな……なんて、お門違いな事を思ってみる。
「おい小娘」
割と圧迫感があって怖いので軽く現実逃避へと陥っていたオレに、頭に黒い布を巻き付けた人が呼び掛ける。
「なっ……オレは女の子じゃない！」
「……何方でも良いではないか。それよりも先程の鍵は何だ？」
「キーブレードのことか？」
その質問に対して聞き返してみると、その人はオレの言葉を反芻しては、何やら考え込んでいる様子が窺える。
その間にもオレはその人達の背後にいる、倒れている男の人を見てみると、ピクリとも動いていなくて。
早く助けないと、と何だか焦燥感が湧いて来た。
「ねぇ！ 大丈夫か！？」
とにかく、と三人の横を通り抜けては、その人のいる場所へと駆け寄る。
そして覗き込んでみると、本当に無数の傷を負っていて、所々に深い傷もある事が判る。
……ここまでとなると、オレの魔法じゃ治しきれないけど。
「ケアルガ」
治癒の魔法をかけると、案外止血程度は出来た様だった。
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作者名：レフト | 作成日時：2019年9月16日 20時
