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「あ ほ！」
神社の出入り口を抜け、少し人気もまばらな場所に出る。振り向くと同時に離された彼の手は、そのまま軽い手刀として私のおでこに降ってきた。
「こんな時間に女一人で、危ないって分からんかったん？」
「ひ………人が多いから、大丈夫かなって」
「人が多いってことは、変な奴も多いっちゅうことや。実際、連れてかれそうになっとるし………しかも、」
わざわざそんな、目立つカッコして。
決して怒鳴らないけれど、苦い表情で放たれる彼の言葉は、グサリと私に刺さるのだった。
*
普段から、スムーズには言葉を吐かせない私の脳は、こんな時ほど機能しなくて。
「一人にしたらまた何かあるかもしれない」と言い、送って行くと申し出た彼の後ろを、着いていくことしかできない。
当然、さっきみたいに手を引いてくれる訳もなく。間にある人ひとり分の距離が、やけに寂しい。
(怒ってる………よね)
彼は暖かい部屋で、ゲームをしたりお酒を飲んだりしながら、浦島坂田船のみんなで楽しいお正月を過ごしていただろうに。アホな友人のためにこんな寒空に駆り出されて、機嫌も悪くなるのは当然だ。
「…ごめん、なさい」
「…なにが？」
「………………ぜんぶ」
身の程知らずに、いつもと違うことをしようとしたこと。
酔っ払いさえ、一人で満足にあしらえないこと。
苦労して着付けた着物は華やかで、実は少し、浮かれていたこと。
駅に着く頃には申し訳なさや不甲斐なさが積もりきっていて、さらに家まで送ってもらうなんて耐えられない。
「センラさん、私、一人で帰ります」
「、やからそれは危ないって、」
「たっ、タクシーで！…ちゃんと家の前まで、誰にも会わないように、帰ります」
タクシー？乗り場けっこう並んでるで。
大丈夫です。
…せっかく電車動いとるんやから、使うたらええやん。
センラさんは、そうしてください。
「………なんでそんな頑ななん？」
彼がこちらに向き直る気配がしたけれど、私は顔を上げられない。なんで、って、だって______
「………これ以上、呆れられたく、ない」
慣れてるよ。私がとろくて呆れられることなんて。
でも、誰に対しても、「慣れてるから平気」な訳じゃない。
____
▽ (今年の抱負は警戒心 / snr)→←18%. 明けましてハプニング
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シオン - そ、そうだったんですね！続きが読めてとてもハッピーです！これからも幸せな2人のやりとりをひっそりと楽しませていただきます！ (2023年2月3日 19時) (
レス) @page46 id: 3ff5e2db98 (このIDを非表示/違反報告)
なん(プロフ) - 更新めちゃくちゃうれしい！くっついた2人がこれからどうなるのか楽しみです！！ (2023年1月31日 12時) (レス) @page46 id: 30f41c462b (このIDを非表示/違反報告)
ありぃ(プロフ) - (///◇///)ﾄﾞｷﾄﾞｷ (2023年1月30日 9時) (レス) @page46 id: a7d68907fb (このIDを非表示/違反報告)
打楽器(プロフ) - シオンさん» お久しぶりですすみませんでしたぁ(スライディング土下座)！！！ちょーっとプライベートが繁忙しておりました…うう………😭終わってないです！終わる時はあとがきまで書く所存なので！紛らわしくてすみません💦 (2023年1月29日 12時) (レス) id: fbabe361fc (このIDを非表示/違反報告)
シオン - ハッピーエンド？終わった、のでしょうか？（毎回トキメキ溢れ技させていただいてます）仕事終わりの娯楽の一つです、うまうま (2023年1月25日 20時) (レス) id: 3ff5e2db98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：打楽器 | 作成日時：2022年9月19日 10時
