▽ / snr ページ18
昔から、要領ええ方やねん。
勉強も運動も、やったらまあできるみたいな。でも1番にはなれんのよな。
歌やダンスが俺より上手いやつ、顔がええやつ、性格がええやつ…そんなんは歌い手界隈だけ見てもゴロゴロおる。俺自身は光る才能に恵まれているわけでもないし。
それでも俺が1番だと言ってくれるリスナーたちに応えたいとは思うが、同業者で、周りにすごい人たちがたくさんいるAさんが、ここまで俺を評価してくれるのはなんでなんやろな。
「俺なんていうても凡人やで。あんま買い被りすぎんでなー？」
戯けた調子でそう言うと、彼女は少しキョトンとした後、斜め下に目を伏せた。視線を逸らすその仕草は、彼女が言葉を探すときに良くするもの。
「………わたし、センラさんのこと、��才能あってすごいなあ��って、憧れてるわけじゃないですよ」
す、と合わせられた目。少しも鋭さなんてないのに逸らせない、不思議な引力のある瞳だと、いつも思う。
「センラさんが色々できるのは、才能って言うより、積み重ねなんだなって思うから」
流暢な喋りの裏には、毎日の配信が。
激しいダンス中でもブレない歌声の裏には、ほぼ週一はやっている歌枠やボイトレが。
熱烈なファンの愛の裏には、企画をしたり相談を聞いたり、色んな形でリスナーと関わる日々の積み重ねがあって。
積み重ねは経験や自信になって、だからこそ、周りを気遣いながら色々上手くこなせるんだろうな。
「わたしはいつも、まわりに着いていくのに精一杯だから………
自分のことちゃんとできて、周りも気にかけられるセンラさんは、すごい」
怒涛の褒め言葉に、ふにゃりとした笑顔が加わって、すごい威力を持って直撃する。真っ直ぐすぎる言葉も笑顔も、食らうのは初めてのことではないけれど………簡単に慣れるものでもなく。
照れ隠しに「はいはい、ありがとね」とややぶっきらぼうに返して酒のメニューに逃げれば、「わたしも頼みます」と身を乗り出してくる酔っ払い。
「ダメでーす。もう酔ってるやろ？無理してペース合わせんでええから」
「まだいけます。きょうは、センラさんに気持ちよく呑んでもらう日なんですから」
「なんでやねん、接待か！」
「なんでって………………あ、」
何か思い出した様子で固まり、ガサゴソと傍らのトートバッグを漁る。言うの忘れてた、と言って机の上に取り出されたのは____リボンのかけられた、四角い箱。
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シオン - そ、そうだったんですね！続きが読めてとてもハッピーです！これからも幸せな2人のやりとりをひっそりと楽しませていただきます！ (2023年2月3日 19時) (
レス) @page46 id: 3ff5e2db98 (このIDを非表示/違反報告)
なん(プロフ) - 更新めちゃくちゃうれしい！くっついた2人がこれからどうなるのか楽しみです！！ (2023年1月31日 12時) (レス) @page46 id: 30f41c462b (このIDを非表示/違反報告)
ありぃ(プロフ) - (///◇///)ﾄﾞｷﾄﾞｷ (2023年1月30日 9時) (レス) @page46 id: a7d68907fb (このIDを非表示/違反報告)
打楽器(プロフ) - シオンさん» お久しぶりですすみませんでしたぁ(スライディング土下座)！！！ちょーっとプライベートが繁忙しておりました…うう………😭終わってないです！終わる時はあとがきまで書く所存なので！紛らわしくてすみません💦 (2023年1月29日 12時) (レス) id: fbabe361fc (このIDを非表示/違反報告)
シオン - ハッピーエンド？終わった、のでしょうか？（毎回トキメキ溢れ技させていただいてます）仕事終わりの娯楽の一つです、うまうま (2023年1月25日 20時) (レス) id: 3ff5e2db98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：打楽器 | 作成日時：2022年9月19日 10時
