今も昔も* ページ20
体が全く動かなかった。
脳が働かないのだ。
ソレは俺の隣をすり抜けて、円堂守に歩み寄る。
円堂:....風....丸...？
あまりの恐怖に円堂守の顔にひきつった笑顔が張り付く。
円堂:ほら、顔、上げt.....
それは、コイツに決して言っては行けない禁句の言葉。
『........』
口が裂けた様に見えた。
＿＿＿＿違う、｢裂けた｣。
まるで、果実の果肉にナイフを入れる様に。
＿＿＿＿終わった。
ソレが、顔を上げるのが後ろ姿からでも分かった。
恐怖を越えた感情。
ひきつった笑顔は無表情へと変わって行く＿＿。
まるで、心臓を取られてしまったかの様に、円堂守は大きな音を経て、仰向けに倒れた。
死んだ。
いや、死んだと言えば嘘になる。
どうやら、提督も殺す.....という事は気が退けたらしい。
提督は、｢円堂守｣を消したがった。
だから消したのだ。
｢円堂守｣という機能を。
｢円堂守｣の心を。
俺が兄を｢消した｣時の様に＿＿＿＿＿。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊
｢ジャバウォック｣。
それが機械の名前だった。
ありとあらゆる電磁波を操り、機械は勿論、人間の脳さえも支配してしまう究極の兵器。
俺はその実験台になった。
目的は勿論＿＿＿＿＿。
軍を裏切った兄貴を消す事。
勿論、幼い俺は何も知らなかった。
知らされなかった。
ただ、世界の役に立てるのが嬉しくて.......
｢........エスカ？｣
兄貴は刑務所じみた部屋に入れられていた。
項垂れてその部屋に入って来た弟に驚きつつも駆け寄る。
何も知らない兄貴。
あぁ、これから自分の身に何が起こるかなんて全く知らないんだろうな.....
死にたかった。
｢どうしてここに...？....具合、悪いのか？｣
優しい兄貴。
俺じゃない俺に心配の眼差しを向けて。
｢顔を上げて.......｣
この言葉を待っていた。
自然に口角が上がるのが分かる。
その後は、覚えていない。
ただ、目の前で兄貴が倒れていた事しか........
俺は機械の依代だった。
機械をカモフラージュするための容器だった。
大嫌いだった兄貴。
優秀だった兄貴。
憧れだった兄貴。
道を逸れてしまった兄貴。
大好きだった兄貴。
全部引っくるめて俺の兄貴だった。
＿＿ほら、また、繰り返すことになっちゃうよ＿＿
.
.
今も昔も守れなかった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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- 全体運: ★★★☆☆
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革ベルト
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氷風ペンギン(プロフ) - こんにちは！実は僕占ツクで一番最初に好きになったのがこの小説なんです!!更新するのを待ってます!!頑張ってください♪ (2013年1月23日 7時) (携帯から) (
レス) id: 0f2120eac2 (このIDを非表示/違反報告)
*syoko*(プロフ) - 更新待ってました！続き気になります（・ω・´）更新頑張って下さい。 (2012年2月13日 16時) (レス) id: 07a8e2aefc (このIDを非表示/違反報告)
_ - ずっとずっと応援してます。 (2012年1月2日 23時) (レス) id: 344f010533 (このIDを非表示/違反報告)
シュー - 更新まってますっ (2011年12月26日 11時) (レス) id: 9fb9ae9b75 (このIDを非表示/違反報告)
病子 - 面白い!面白すぎる!! (2011年11月30日 23時) (レス) id: ae39139e18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：金糸雀 | 作成日時：2011年6月13日 1時
