NARUTO"最後の約束と一雫の奇跡"

第３９話 強い意思 ページ39

ナルト「関係なくない…っていうのは間違ってるってばよ」

水月「…」


ナルトは目を伏せた。


ナルト「オレは正直、サスケとAの間になにがあったか知らねぇ。…けど」

水月「…？」


ナルトはニヤッとした。


ナルト「サスケがAのことが好きで、あいつにとってAはかけがえのないやつだってことは分かってる。…Aってやつは取り返しのつかないことをしちまった。その罪が消えることはねェ」

水月「なら＿＿＿」

ナルト「過去に間違いをおかしたなら、これから未来(さき)、変わっていけばいいだけだ！」


ナルトの言葉に水月は目を見開く。香燐と重吾も唖然としている。


ナルト「オレの言葉は間違ってるかもしれねェ。…Aの未来を決めるのはA自身だ。それはサスケでも決めることはできない。Aの未来、人生はAのものだから。おかした罪を忘れず、その過ちに対してこれから正しい道を進むことがAのやるべきことだってばよ」

水月「…」

ナルト「人間、必ず誰だって失敗はする。そんなの珍しくもねェ。そんなの当たり前だってばよ。人は、失敗を繰り返して前へ進んでこれからの未来を変えていこうと努力する。…本当にダメなやつは失敗したことを恐れて逃げるやつだ」


ナルトはきっぱりと言った。


ナルト「失敗した過ちなんか怖くねェ。一番怖いのは、逃げて悔やんで諦めることだ！」

サクラ「ナルト…」

カカシ「…」


カカシはナルトの心の成長に、ふっと笑った。


水月「…」


水月はナルトをじっと見つめる。


水月「(言ってることはめちゃくちゃだけど…なんでだろ。なぜか…胸に響く…)」

ナルト「オレは絶対逃げない！諦めない！後悔するぐらいなら、最初からそんなの覚悟して挑むだけだ！」


ナルトの強い想いがその場の空気を乱した。


◇◇◇


A「…サ…スケ…」

サスケ「…」


サスケが唇を離すと、Aはその場にぺたりと脱力して膝をついた。


A「い、いきなりなにす…」

サスケ「…おまえが好きだ」

A「…！///」

サスケ「A」


サスケはAの前にしゃがみ、抱きしめる。


A「…！」

サスケ「オレはあのとき…おまえを守れなかった。でも、これからは…」


サスケはAの首もとに顔をうずめる。


サスケ「もう…おまえを離さない…。絶対に…」

A「サスケ…」

サスケ「…オレだけを見てろ」


抱き合う二人の側を風が静かに通り抜けた。


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