NARUTO"最後の約束と一雫の奇跡"

第３６話 同類 ページ36

ガキィンッ


ナルトのクナイと水月の刀がぶつかり、火花を散らす。


ナルト「くっ…！」

水月「…」

重吾「うおおおおおお!!」

サクラ「！」


呪印モードを発生させた重吾がサクラとカカシに向かう。


カカシ「(この男、サスケと同じ…)」

サクラ「カカシ先生！」


後退する二人。


カカシの腕から血が。


カカシ「(あの暁の二人との戦いのダメージが…)」

サクラ「出血がひどい…！」


サクラはカカシの腕に両手をかざす。


ナルト「くっ！」

水月「無駄だよ」

ナルト「!?」

水月「サスケは君たちに用はない。ずっと、Aを追いかけてたんだから…」


距離を取る。


ナルト「…」

水月「サスケはね、ずっと、Aを取り戻すために強くなろうとしてたんだよ。…家族を、一族を滅ぼしたイタチを殺した…彼はもう君たちの知ってる『うちはサスケ』じゃない。今更彼を連れ戻しても意味がないんじゃない？Aだって、君たちには関係ないでしょ？」

ナルト「うるせぇ！」


怒りに震えるナルト。


ナルト「確かにサスケは変わった！たった３年の間に…」


冷たく。


かつて同じ班だった自分たちに向けられる、氷のような眼。


ナルト「けど…！あいつは木の葉の、オレたちの"仲間"なんだ！絶対連れ戻すって決めたんだ！」

水月「…」

ナルト「Aのことは、オレたちはよく知らねぇ…。けど＿＿」



＿＿サスケ『Aは…特別な奴だった。いつもニコニコしてて…。あの笑顔が、優しい笑顔が好きだった』



Aについて話したサスケは、はにかんでいて…嬉しそうだった。


ナルト「Aがサスケの大切な奴なら、一緒に連れ戻すだけだ！」

水月「…」


水月は憂いのにじんだ瞳でナルトを見つめた。
そして、


水月「なら、Aが＿＿＿でも、連れ戻すの？」

ナルト「…！なんだと…!?」


◇◇◇


A「サスケ…ごめんね…」


Aは泣きながらサスケを見上げる。サスケもまた、激しい感情の揺れに顔を強張らせている。


サスケ「A…オレは…」


手が、Aに向かって伸びる。


A「…わたしが翠紃一族じゃなかったら…こんなことにならなかったのに」

サスケ「…ッ」


うちは一族は、翠紃一族と共にイタチとAに抹殺された。

互いのもつれ合いが原因となり、



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哀しみに明け暮れながら、消えた。


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第３７話 罪人→←第３５話 置き去りの真実

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