NARUTO"最後の約束と一雫の奇跡"

第１６話 居場所 ページ16

《サソリside》


デイダラ「サソリの旦那、明日の任務オイラパスするぜ」



こいつがパス…、珍しいこともあるな。



サソリ「分かった」



デイダラ「次の任務は行く」



つーことはオレ一人で大名殺しか…。



サソリ「…」



ペインと小南は野暮用がある。



鬼鮫と不死コンビは非番。



ゼツは監視。



トビは…まあいいや。



イタチは…最近部屋にこもってる。



残るは…。




サソリ「A、明日任務付き合え」



A「分かった」



Aしかいねぇ。



まあ、Aは強いし…。



本当は一緒に行ってみたかったからだが。



サソリ「…」



◇◇◇


《小さな里》


A「それでわたしはどうすればいい？前線で戦うの？援護？」



サソリ「出来れば前線で戦ってほしい」



A「分かった」



Aは頷き、飛び出した。



大名を守る忍「あ、暁!?」



A「どいてくれないかな？」



忍「ん？暁にこんな少女がいたか？」



A「…あはは」



グシャッ



ドサッ



忍「ひ…っ！」



A「どかないなら…首、跳ねますよ？」



人懐こい笑顔。



サソリ「…」




Aがおもに前で戦ったため、サソリはほぼ傍観者だった。



A「終わったよ…。やっぱり人を殺すのって…楽しくないね」



寂しそうな表情でぽつりと呟いたAをサソリは黙って見つめた。



◇◇◇


サソリ「…なあ」



A「なに？」




サソリ「お前…なんで暁にいる？」



A「え？」



サソリ「お前は自分の意思で入ったわけじゃないんだろ？イタチにただ連れて来られただけ。
なのに、なんで暁にいるんだ？」



A「…」



サソリ「お前の実力なら、オレたち全員とはいかないだろうが…力で抜け出すことは出来るだろう？」



A「ああ…なるほどね。いたいわけじゃないのになんで留まるのかってことか」



Aはにっこり笑った。



A「サスケに嫌われたくないから」



サソリ「は…？」



A「わたしはイタチと"共犯者"なんだよ。サスケはイタチを憎んでる。だから、わたしも彼の近くにいれば…嫌われる」



サソリ「共犯者…？」




A「わたしが暁にいるのは利用させてもらってるだけ。…抜けようと思えばいつでも抜けられるよ」



A「暁はサスケから逃げるためのただの"空間"にすぎない。…姿を隠せる"場所"、ただそれだけ…」


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