マネージャーは歌姫さまっ♪2 (ページ11)

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エピソード49 ページ11

深く被った帽子の隙間から
れいちゃんの車が関係者用の駐車場に入って行くのが見えた

大丈夫もうすぐ終わる…
やればできる子YDKだよ私‼

…まぁ、れいちゃんの帽子がなかったら
このステージにすら登れてなかったけどね…

てか歌に集中しなきゃ

メランコリックの後に東京テディベア、千本桜を歌って今は
カゲプロメドレーになっている

また曲を歌い終えてステージの袖を見る
スタッフさん達がバタバタしだしたってことは皆がきたのかな?

やっと終わる…

私は安心した。もうすぐ終わるあと1,2曲頑張ればいいんだ

そう思うと自然と体は軽くなりさっきよりも歌いやすくなる

次の曲のイントロが流れ出す『如月アテンション』だ

息を吸い歌いだす

歌っている最中もチラチラとステージの袖を見ていた

早く皆準備終わんないかなぁ…

歌がサビに入った頃皆がステージの袖に姿を現した

皆…‼これで終わる‼やったぁ

皆を見て気が緩んだ時凄い風が吹いた

『キャッ…‼』

凄い風だったな…と呑気に思った
でも自分が見ている風景を見て一気に嫌な汗をかいた

なんで深く被った帽子のお陰で見えなかった客席が見えているの?

曲は続いている。でも声が出ない

『あ…ぅあ…』

歌わなきゃ脳ではそれを理解しているのに
体は言うことを聞かずその場にしゃがみこむ

過去の記憶がフラッシュバックする
「うわっ何あの恰好!?」「ざまぁ見ろww」「エッロ」「アハハハハハwwww」
皆が私を見て嘲笑う

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ‼‼‼‼

なんで人前でまた歌なんて歌ってしまったのだろう?
歌なんてもう歌いたくない‼‼
もうあんな記憶思い出したくないょ…

…でも…歌わなきゃ…皆のために…
私を救ってくれた皆のために…‼‼

私は立ち上がりもう一度息を吸って歌いだす

大丈夫…皆のためならもう少し頑張れる‼‼