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｢鶴見中尉殿、おはようございます!｣
｢Aクン、彼が鯉登音之進少尉だよ｣
｢……えっ?あ、はいどうも……｣
｢フン、貴様が与田賀A上等兵だな。話は全て鶴見中尉殿と月島から聞いている｣
やっぱり噂通りのひ弱そうな奴だ、と鯉登はAの頭から先まで眺めては鼻で笑った。
多分体格がかなり違うため、他の兵士と似たような反応をされている気がしてならない。
｢イヤァ、急に呼んで悪いね鯉登少尉。彼女……いや彼はつい数年ほど前にこの第七師団の上等兵として入団した子だ。紹介をしたくてね!｣
鶴見はそう言って掴んでいたAの両肩をポンと叩き、ウインクをした。
“自己紹介をしろ”“粗相だけは無いように”とでも言われているようだ。
部屋の中央に立たされ、思わず少し俯いた。
月島、鯉登、鶴見という3匹の蛇に囲まれる蛙の気持ちを一時的に味わっているみたいだ。
とりあえず先程の鶴見から聞いたほんの少しの情報を元に自己紹介を試みた。
｢よ、与田賀A、数年ほど前にここへ入団させていただくことになりました!好きな物はメヒカリ……とあんぱんもッ……す、好きです……!｣
嘘だ。
本当は甘いものなど滅多に食べられなかったしそんなどこかのお店の高級あんぱんなど口にできるほど偉くない。
自己紹介というよりもほぼ名乗っただけではあるが、鶴見をチラリと見ると親指を立ててウインクしていた。
月島は相変わらず真顔でどこか虚空を見つめている気がする。
｢わ……｣
｢……わ?｣
｢……わいも月寒あんぱんが好っなんか!?｣
あぁ、この人……本当にあんぱん好きだったんだ。
鯉登はツカツカとAの前に近寄っては急に両手を握ってとびきりの笑顔を見せた。
人が好きな物を語る時のあのとびきりの笑顔である。
｢いやーまさか月寒あんぱんが好っな兵士が他にもおっなんて思わんやった!出身は?やっぱい薩摩か!?そうだあんあんぱんには何餡が使われちょっか知っちょっか!?今度共に鶴見中尉殿を語りながらたもろうじゃらせんか!｣
｢ｧｳ、ｳｪ、ﾇｫ、ｨｴ｣
｢鯉登少尉殿、与田賀上等兵が苦しそうです｣
｢ハッ!すまない!｣
加減を知らないのか上半身をガクガク揺らされ思わず握手ごときで首が3度飛びそうになった。
そんな死因、嫌すぎる。
そんな仲睦まじい一時を見た鶴見も思わずニッコリしている。
｢す、すみません西の方言は苦手でして……｣
｢鯉登少尉殿はどうも興奮すると薩摩弁が出てしまうんだ、慣れろ｣
｢慣れろって……｣
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セミ⭐︎ - 勿論です！杉元やゲンジロちゃんとの絡み楽しみにしております！無理せず頑張ってください！応援しています！ (3月21日 17時) (
レス) @page38 id: 31ded6a35d (このIDを非表示/違反報告)
＊泡沫＊(プロフ) - セミ⭐︎さん» コメントありがとうございます!私も結構箱推しなところもあるのですが杉本や月島さん、ゲンジロちゃんが活躍する回は特に好きです。作品が良い結末となるようこれからも精進いたしますのでぜひよろしくお願いします! (3月21日 15時) (レス) id: 5b050bb58b (このIDを非表示/違反報告)
セミ⭐︎ - やばいめちゃめちゃ好きです！この作品が尊いです！ところで、泡沫さんの推しは誰ですか？自分は、かなり多いのですがその中でもトップを飾るのは尾形と杉元です！更新お待ちしております！ありがとう！！ (3月20日 15時) (レス) @page38 id: 31ded6a35d (このIDを非表示/違反報告)
＊泡沫＊(プロフ) - 【作者より 読者の皆様へ】『夜鷹の桜』を読んで下さりありがとうございます!まだ未定ではありますが新たに小説を別ジャンルで書きたいなと考えております。また詳細が決まり次第改めてお知らせさせていただきますので気長にお待ちいただけると幸いです! (3月18日 5時) (レス) id: 5b050bb58b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊泡沫＊ | 作成日時：2024年1月7日 6時
