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｢じ、じゃあなんで……｣
ゆっくりと距離を詰めてくる尾形に不安を覚えAも離れるように後ろへ下がる。
壁に背がついたにも関わらず真顔で淡々と近づいてくる尾形はもはや恐怖であった。
2人の距離が人1人分くらいの近さになると尾形は右足を上げ、Aのちょうど股下辺りへと壁を踏みつけた。
驚きと焦りの表情を見せるAを見て思わずニヤリと笑った。
｢2人きりで話そうじゃねぇか、A｣
尾形はそう言って歩兵銃を構え、銃口をAの首元へ当てた。
こんな鳥たちの囀りが聞こえるほどとても天気のいい早朝から、道場で尋問紛いの行為が行われようとしている。
集合場所から既におかしい気はしていたのだ。
教わるはずなのは“馬に乗った状態での射撃”であり、室内の道場で練習出来るはずがない。
Aの中で薄々嫌な予感がしていたのがとうとう当たってしまったようだ。
｢……お前、女なんだろ?｣
｢違……!｣
｢待て、そう簡単に答えるなよ｣
嘘をついたら撃つ、と尾形は笑った。
しかし彼の目元は一切笑っておらず、本当に撃つ気はあるのだろう。
彼の“撃つ”という脅しは、大抵脅しの領域の範疇からとうに超えている。
Aはどうしても答えることが出来なかった。
バレたんだ、私が女だということ。
男だとでも答えれば彼は冗談抜きで引き金を引きそうだし、女だと答えれば自分のプライドを侵害されたと言っても過言では無い。
彼はAが“自分は女だ”と答えるのを待っている。
しかし答える訳にもいかず、ただ静寂の時が過ぎていくだけだった。
とうとう彼からの視線に耐えきれず口を開きかけたその時、背後から声が聞こえた。
｢──何をしているんだね、尾形上等兵?｣
思いがけない人物の登場に、尾形は銃を下ろし振り返る。
Aはあまりの出来事にその場で情けなく座り込んだ。
鶴見はそんな2人を見て少し考え事をしてポケットに入れていた手を出した。
その右手には小銃が構えられている。
｢……これは鶴見中尉殿、随分お早い時間から演練でしょうか?｣
｢実は先日銃を新調して貰ったんだがどうしても早く試し撃ちがしたくてね｣
｢ははぁ、それはそれは。しかし生憎的の用意ができておりませんが｣
私ならいくらでもできる、と鶴見は持っていた小銃を尾形へ突きつけた。
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セミ⭐︎ - 勿論です！杉元やゲンジロちゃんとの絡み楽しみにしております！無理せず頑張ってください！応援しています！ (3月21日 17時) (
レス) @page38 id: 31ded6a35d (このIDを非表示/違反報告)
＊泡沫＊(プロフ) - セミ⭐︎さん» コメントありがとうございます!私も結構箱推しなところもあるのですが杉本や月島さん、ゲンジロちゃんが活躍する回は特に好きです。作品が良い結末となるようこれからも精進いたしますのでぜひよろしくお願いします! (3月21日 15時) (レス) id: 5b050bb58b (このIDを非表示/違反報告)
セミ⭐︎ - やばいめちゃめちゃ好きです！この作品が尊いです！ところで、泡沫さんの推しは誰ですか？自分は、かなり多いのですがその中でもトップを飾るのは尾形と杉元です！更新お待ちしております！ありがとう！！ (3月20日 15時) (レス) @page38 id: 31ded6a35d (このIDを非表示/違反報告)
＊泡沫＊(プロフ) - 【作者より 読者の皆様へ】『夜鷹の桜』を読んで下さりありがとうございます!まだ未定ではありますが新たに小説を別ジャンルで書きたいなと考えております。また詳細が決まり次第改めてお知らせさせていただきますので気長にお待ちいただけると幸いです! (3月18日 5時) (レス) id: 5b050bb58b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊泡沫＊ | 作成日時：2024年1月7日 6時
