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｢──正直、そこからはほとんど曖昧です｣
Aはそう言って疲れたように笑った。
｢ま、待て。全然続きが気になるしここに来た理由は結局なんなんだ｣
｢あっ、ええっと普通に自分だけ村八分みたいな感じです……｣
最終的に私は町で妖怪や呪いのような扱いとなり仕方なく静かに家を出てきた。
満月が綺麗な夜で、そんな月明かりの中父と母が泣きながら抱きしめて送ってくれたことを鮮明に覚えている。
｢町を追われた後、北海道に向けて旅をしてある人に会いに行けばなんとかなると言われて……｣
｢ある人?｣
鶴見は興味深そうに聞いた。
答えたいのは山々ではあるが、正直それも聞かれても思い出せないのである。
写真は一応あるのだが、それも尋ね人の若い頃なら尚更分からないだろう。
｢自分で探したいです、両親が自分に教えたそのある人を｣
手助けは要らない、これは私が2人から請け負ったものだから。
｢……なるほど、君の意思はよく分かったよAクン。ところで先程の昔話なんだがね｣
続きを聞きたい、と鶴見はAに言った。
すごく面白そうに聞くなこの人。
鯉登もあれほどあんぱんが好きだったみたいなのに一つも手を付けないで話を聞いてくれている。
月島はと言うと、相変わらずどこか虚無を見つめているようだった。
｢……あまり覚えていないので父と母から聞いたものです。あの後2人を何とか生還させて岸まで辿り着いたのですが、今度は自分が波に飲まれたんです｣
2人を岸まで運んだところでもう限界だった。
日々農作業で体は動かしていたとはいえ大人2人を嵐の海から泳いですくい上げたのである。
煙草も吸えない子供が泳いだだけでも奇跡だと言うのに、神はどうも私に救いを与えたくないようだった。
結局私は波に飲まれた、多分明け方の頃だった。
命からがら耐えた両親もさすがに体力など残っていない。
私の捜索は一週間ほどかかったと後から聞いた。
｢……それである日ひょっこり自分が岸に転がってるのを誰かに見つけてもらって、その誰かが先程言った尋ね人なんです｣
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セミ⭐︎ - 勿論です！杉元やゲンジロちゃんとの絡み楽しみにしております！無理せず頑張ってください！応援しています！ (3月21日 17時) (
レス) @page38 id: 31ded6a35d (このIDを非表示/違反報告)
＊泡沫＊(プロフ) - セミ⭐︎さん» コメントありがとうございます!私も結構箱推しなところもあるのですが杉本や月島さん、ゲンジロちゃんが活躍する回は特に好きです。作品が良い結末となるようこれからも精進いたしますのでぜひよろしくお願いします! (3月21日 15時) (レス) id: 5b050bb58b (このIDを非表示/違反報告)
セミ⭐︎ - やばいめちゃめちゃ好きです！この作品が尊いです！ところで、泡沫さんの推しは誰ですか？自分は、かなり多いのですがその中でもトップを飾るのは尾形と杉元です！更新お待ちしております！ありがとう！！ (3月20日 15時) (レス) @page38 id: 31ded6a35d (このIDを非表示/違反報告)
＊泡沫＊(プロフ) - 【作者より 読者の皆様へ】『夜鷹の桜』を読んで下さりありがとうございます!まだ未定ではありますが新たに小説を別ジャンルで書きたいなと考えております。また詳細が決まり次第改めてお知らせさせていただきますので気長にお待ちいただけると幸いです! (3月18日 5時) (レス) id: 5b050bb58b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊泡沫＊ | 作成日時：2024年1月7日 6時
