胸キュン ページ6
合コンがスタートしてしばらくは、次々と来る料理を取り分けて、食べて、取り分けて、食べて、の繰り返しだった。
「へぇー！じゃあ折原さんって拓海の大学時代の先輩なんですね！」
「そうそう！会社入ってから折原さんがいるって知って、ビックリしたんですよね！」
「そんな事もあったなぁ〜」
会話の中心はほとんどが折原さんに関する事ばかりで、隣の友華ちゃんが少しずつ私の方に寄って来るから、段々まっすぐ座れなくなって来た。
(飲み物のお代わりでも貰ってこようかな)
今ここで席を外せば、戻って来た頃にはもう私の居場所は無いのだろうけれど。それでもこのまま座っている方が辛くなりそうなので、早々に諦めた。
私がそっと席を立った瞬間、折原さんの携帯が鳴った。
「あ、ちょっと席外すな？…はい、もしもし？…はい、はい…」
立ち上がったまま固まってしまった私に手だけで「お先にどうぞ」と伝えてくれる折原さん。それに甘えて、私は先に個室を出る。
『あの、すみません…あそこの個室にウーロン茶をお願いします』
「かしこまりました！」
ちょうど通りがかりの店員さんを捕まえる事が出来たので、飲み物のお代わりを頼んでいると、ちょんちょんと肩をつつかれる感覚。振り返ると何故か折原さんが通話しながら立っていて、ジェスチャーだけで何かを伝えようとしていた。
(自分を指差して、1…？もしかして…)
『ウーロン茶をもう1つ、ですか？』
私が問いかけると、折原さんは目を輝かせながら頷いた。その可愛らしい仕草にまた胸がキュンとする。
だというのに、折原さんは更に私に爆弾を落としていった。
「…あーごめん、聞いとらんかったわー………おん、それで？」
電話の相手に謝りながら、片手で私の頭をポンポンと叩き、口パクで「ありがと」と言ってから、私に背を向けて去って行ったのだ。
(な、なに今の………)
恋愛経験が浅い私には、折原さんの1つ1つの動作や仕草に翻弄されるばかりで、もう胸キュンが限界突破しそうだ。
(これで好きにならない方が無理でしょ………)
赤くなった顔を手の甲で冷やしながら、店員さんにウーロン茶を2つ頼み、ふらふらとお手洗いへ向かうのだった。
＊＊＊
ランクインありがとうございます…！
何か書き出したら止まらなくなってきました！楽しい！私も年上のお兄さんに甘やかされたい(え)
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紫苑(プロフ) - リリトさん» リリトさん、コメントありがとうございます！ そんな偶然があるんですね？！自分で名前を設定しておきながら驚きました笑 (2020年11月9日 19時) (
レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリト - 漢字は違うけど、本名同じ人おったｗｗ (2020年10月22日 17時) (レス) id: 5c9bfe90e0 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - ひよりんさん» こんばんは。メッセージを返信させて頂きましたので、ご確認頂ければ幸いです。 (2020年8月22日 0時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - こんにちは。メッセージ送らせていただいたので、見ていただければ幸いです。 (2020年8月21日 21時) (レス) id: 222226e292 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - センラさん推しさん» センラさん推しさん、コメントありがとうございます！ 神様だなんて畏れ多いです…！ですがありがとうございます、嬉しいです。 これからも頑張りますね！ (2020年3月18日 22時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2019年11月1日 18時
