名前(センラside) ページ18
うらたんからの電話が終わり、個室に戻ると席が変わっていた。
『あれ？いつの間に席変わったん？』
俺の席以外は先程までと大幅に変わっていた。
…っていうか、この配置は悪意しかないやろ。
「折原さんの席は変わってないですよー！どうぞ！」
『んー…折角やから僕も席移動させてもらいますわー。奥行くね？』
何かくねくねしながら俺の席を勧めてきた子がいたけど、聞き流して彼女の隣へまっすぐ向かう。
『一樹、間あけてくれや〜』
「え、はい…？」
俺が隣に座ると、彼女私はまじまじと俺の顔を眺めてきた。ようやくまともに目が合ったなぁと思いながら、わざとらしく顔を覗き込みながら問いかける。
『ん？どうしたん？何か顔に付いてます？』
「い、いえ…」
「えー、折原さんこっち来てよ！」
「つまんなーい」
予想通り彼女は顔を赤くして、俯いてしもうた。うぶな感じがたまらんなぁ。
後ろから女の子たちの声が聞こえた気がしたが、無視や無視。
…っていうかそろそろ彼女の名前が聞きたいんやけど。どうやって聞き出すのが自然やろか。
『さっきは飲み物、ありがとなぁ。お陰で助かったわ』
「いえ…！こちらこそ最初、ありがとうございました」
『ええのええの。お酒弱いん？』
「いえ、まだ20歳になっていないので…」
『へえ、ちゃんと法律守ってんのや。偉いなぁ』
ここに来て更に好感度アップ。周りは暗黙の了解でお酒を飲んでいるだろうに、法律を守ろうとする姿勢は感心する。
彼女の頬が緩んで、またあの笑顔が見られるかな、と期待した瞬間だった。
「Aってほんと真面目だよねー」
彼女の友人の言葉に、彼女の笑顔が凍ったように感じた。
『いつも我儘言ってごめんね』
「ほんとだよ、もう〜！」
「瑠璃優しいねー」
目の前で交わされる茶番劇に、眉を潜めたくなる。何故正しい彼女が責められなければならないのだ。
だが、ここで俺が何か言ってしまえば、テーブルの下では拳を握り締めながらも、笑顔を取り繕っている彼女を苦しめる事になるだろう。
だから俺は今の会話で気になったもう1つの事を口に出す事にした。
『Aちゃん』
「へっ…？！」
『Aちゃん、っていうんやな』
「は、はい…」
名前を知れた喜びで、噛み締めるように2回も呼んでしもうた。Aちゃんが顔を赤くしている事に気分を良くしながら、俺はウーロン茶を飲むのだった。
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紫苑(プロフ) - リリトさん» リリトさん、コメントありがとうございます！ そんな偶然があるんですね？！自分で名前を設定しておきながら驚きました笑 (2020年11月9日 19時) (
レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリト - 漢字は違うけど、本名同じ人おったｗｗ (2020年10月22日 17時) (レス) id: 5c9bfe90e0 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - ひよりんさん» こんばんは。メッセージを返信させて頂きましたので、ご確認頂ければ幸いです。 (2020年8月22日 0時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - こんにちは。メッセージ送らせていただいたので、見ていただければ幸いです。 (2020年8月21日 21時) (レス) id: 222226e292 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - センラさん推しさん» センラさん推しさん、コメントありがとうございます！ 神様だなんて畏れ多いです…！ですがありがとうございます、嬉しいです。 これからも頑張りますね！ (2020年3月18日 22時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2019年11月1日 18時
