stage.10-1 ページ15
(side.You)
大会で優勝し、カジノのオーナーになる事を決意した私は、それから忙しい日々を送る事になった。毎日カジノに足を運び、前オーナーである金城さんに様々な事を教わっていった。
「今日の課題はこれを読み切ることだ」
『…え?金城さん、冗談、ですよね?』
「冗談などではない。オーナーになるんだ、基礎知識は早めにつけておいて損はない」
『…鬼教官』
「ん?何か言ったか?」
『イイエナンデモゴザイマセン』
金城さんはかなりのスパルタで、A4の文字がびっしりと埋まった「カジノ SHUFFLE」の歴史について書かれた資料(全部で100ページくらいあった)を一日で読むように要求してきたり。
「デモは一度しか行わない。もし2回目以降、君が負けたらその分給料から天引きするので覚悟しておくように」
『え?!それって労働法的にいいんですか?!』
「今すぐに負けた分の金額を請求してもいいが?」
『タイヘンモウシワケゴザイマセンデシタ』
カジノで行う数十種類のゲームの説明は一度しか行わず、しかもデモと並行しながらなので、最初の方は中々ルールが覚えられず、負けっぱなしになり、給料がマイナスに到達した事もあったり。
だが、スパルタ教育のお陰で、オーナーになってから2か月でほとんど全てのゲームのルールを覚え、金城さんから「ディーラーを任せても問題無い」とお墨付きをもらえるまでに成長した。
「A、君がオーナーだと知られないために、いくつかの変装用品を用意した。好きなものを使ってくれ」
こうして、現場に立つ日までカウントダウンが始まったある日、金城さんは様々な変装グッズ…といってもウィッグや化粧品が中心だったが、を持ってきてくれた。
「君のその髪色は地毛か?」
『はい、元々家系的に色が明るめなので…』
「それなら金髪よりは黒髪の方が印象が変わりそうだな」
『あと、化粧なんてした事ないんですが…』
「そこは俺の知り合いにレクチャーしてもらう予定だ」
『あ、はい…』
私の髪色は元々が明るめの茶髪だ。全身鏡の前で金髪のウィッグと黒髪のウィッグを交代で被ったが、黒髪の方が印象が落ち着いて見えた。いっそこの際染めてみてもいいかもしないな、と頭の片隅で考えながら変装グッズを眺めたり、実際につけて遊んでみる。
「大体、これでいいだろう」
30分程でディーラーの時の恰好を決定し、私と金城さんは一息つける事になった。金城さんお手製のパウンドケーキを食べながら、二人で最後の確認をする。
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紫苑(プロフ) - リリさん» ちゃんと変換できたみたいで良かったです! ご不便をおかけして、失礼しましたm(__)m 頑張ります!ありがとうございます! (2019年10月14日 0時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - ちゃんと、名前が出来ていました!名前で呼ばれるのが嬉しいです( ̄∇ ̄*)ゞ次も頑張ってください! (2019年10月13日 18時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - リリさん» リリさん、ご指摘ありがとうございます…!こちらの設定ミスです…修正いたしましたので、名前が変換されるはずです! 応援ありがとうございます!頑張ります!!! (2019年10月11日 21時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - 最高です!登場人物の、名前を変える設定で名前を入れても、変えれないのですが……どういうことでしょうか……これからも、頑張ってください! (2019年10月11日 15時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫苑 | 作成日時:2019年10月7日 13時