告白（仮）されたからって甘い雰囲気になる？【歌い手】

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「まぁ引くやら押すやらは一旦置いといてさ、その相手って誰なの？」
『……それは言いたくない』

ここで"彼"の名前を出せばRiKuは喜んでこれからも相談に乗ってくれるかもしれないのは、分かる。分かるけど、相談に乗ってもらったとして何になる？
確かにわたしは"彼"の事は気になってはいる。優しいところとか、笑顔が素敵なところとか。結構、好きだ。

でもそれって本当の気持ちなんだろうか。
今は"彼"に告白(仮)をされたから、こんな熱っぽくて意識してしまってるだけで、好きかもと言う感情に陥ってしまってるだけかもしれない。


こんな曖昧な状況で相談なんかしたって何にもならなん。そんな考えを見通したかのように、RiKuが口を開いた

「別にアタシはさ、その相手を知ってどうのこうのしたい訳じゃないのよ。
ただ、恋人居たことなくて初恋すらもまだ。恋愛映画も全然見ないし少女漫画も読まない。そんな鈍感なすーの力になりたいの」
『……力ってなに』
「女の子にさせてあげる」

その発言に思わず『ん？』と首を傾げると、RiKuは何故か楽しそうに笑って私の頭を撫でまわす。ぐりぐりって、ちょっとだけ痛い。

『私、別に女の子ならなくても女の子』
「知ってるわよそんくらい！でも今のアンタじゃ他人の気持ちに気付けても、自分の気持ちに気付けなさそうだしね。そこら辺レクチャーしていくわよー」
『……RiKuにレクチャーされてもなぁ』
「手始めに恋愛映画観に行く？」
『いや聞けよ』

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