生放送しないだけでこんな問題になる？【歌い手】

│２０│そらる.side ページ21

目の下に隈を作って、疲れたように口だけを動かすすいみぃさん。早く休ませてあげたいのもあるけれど、このまま話していたい気持ちもある。

『でも今回は、そらるさんとまふまふさんに来ていただいて助かりました。2人だったら寝るのは後2時間後になってましたよ』
「大袈裟ですよ」

今にも閉じそうな瞼を見つめながら、俺はそれからの会話に困った。

部屋に来たとき、まふと和解していたように見えたけど、アイツは真っ直ぐな性格だから出来たことなんじゃないかと思っている。

せっかく憧れの人と一緒に居られるのに、あんまり話せないなんて。

『……そらるさんって、』
「っ、はい」
『睡民さん、なんですか？』

眠そうになりながらも俺の方を見て、小さく首を傾げてるすいみぃさん。
色眼鏡無しで元より整っている顔で、そんな行動されると、不覚にもきゅんときた

「…一応睡民です。まふよりは落ち着いてますけど」
『ああ…まふまふさん凄いですもんね』
「でも、俺も歌ってみたは全部マイリスしてます。RiKuさんの青い鳥に載ってたピアノのやつもすぐリツイートしました」
『…そ、それはそれは』

最初はピアノまで弾けるのかと驚いたけれど、綺麗な指先がモノクロの鍵盤を撫でる度に、耳に届く音。それにも心を奪われた。

ピアノのなんか何百回も聞いてるのにすいみぃさんのは何故か頭に残る。
思い出せといわれたら、何時でも何処でも思い出せるだろう

何故って、答えは決まってる。

「…本当に好きです」

俺だって睡民だから

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