歌い手と夏祭り【大型企画】 (ページ8)

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屋台はいっぱいあり何を食べるかめちゃくちゃ迷う...

さ｢何が食いてーの？全部上げてみ？w｣

『順番にあんず飴...たこ焼き...あれ？以外に少ない！』

さ｢じゃあ1番高いたこ焼き奢ってやるよ。｣

ほらそういう気遣いが女子の心を間違えて掴んじゃう理由ですよ!!

『やったぁ！じゃあまずあんず飴いこっ！』

屋台に来るとおじさんが椅子に座りじゃんけんで勝ったらもう1個という定番のあれを始めた。

結果『えー！負けちゃったぁ』

｢そんな顔しないでおくれよwおじさんの良心が痛むw。まぁ、お嬢さん可愛いから内緒だよ？｣

なんて優しい！

『ありがとうございます！やったぁ！さとみ！やったぁ！』

さ｢はいはいw良かったなぁ｣

『さとみ１ついる？』

さ｢さっきまで貰って喜んでたじゃんw｣

『2個当ててひとつあげようと思ってたんだけど見事負けちったからねwいらないなら食べちゃうよ？』

さ｢じゃああーんして？｣

は？何言ってんだ。でも...今日で最後だし許されるかな？

『いいよ。あーん。』

私の手からあんず飴を貰ったさとみの頬は少しだけ赤く染っていた気がした。

たこ焼きも買いに行った。
ベンチに座り温かいたこ焼きをさとみとつつきあった。

『ねぇ！次私にあーんして！』

冗談半分で言ったのに

さ｢いいよ。はい、あーん｣ﾆﾔﾆﾔ

さとみは口元に持ってきたたこ焼きをわざと唇の少し横にタレをつけて口の中に押し込んだ。

『ん！？』

さ｢あ、タレついてるw｣

なんて言いながら口の端のタレを指ですくって自分で舐めた。

確信犯だわ。それでも意識しないようにした。必死の抵抗だった。

その後花火の時間が近づいた。

一旦トイレによろうということになり私は大丈夫だったのでベンチで待つことにした。

少しするとトイレの前が異様に騒がしくなった。それは大学の女子に囲まれたさとみだった。

さとみはみんなに優しい。だからそれに漬け込まれるだ。

情けない、自分が。どうせあの女子達と行ってしまうのだ。だったら1人でもいっか。

そう思って1人花火が見えそうな広い河原に向かった。