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『兄と私は血の繋がりのない兄妹です。私がまだ幼い頃に、死にかけで倒れていた私を兄が発見して、助けてくれてから兄妹になりました。
私と兄は武州の出です。
兄には仲間が沢山いて、彼らもまた私を受け入れてくれました。

それはそれは楽しい時代でした。私の人生の山というのは、正しくあの頃でした。
幼馴染の姉上や、兄の尊敬する人の愛に触れて、私はすくすくと成長していきました。


しかし人生には山があれば谷もあるものです。
兄達はある日江戸へ出ていくことを選びました。
私を連れていく気がないことを、私は知りました。
私は激昴しました。
兄が迷いなく私を置いていく判断を降したことが、何よりも私にとって痛いことでした』


Aは幸せそうな顔から一変、悲痛の表情で口を閉じた。店主も、従業員と思われる少年も少女も話に聞き入っている。


『私は兄に反発しました。今思えば、初めての反発だったように思います。
兄は私の必死の訴えを聞き入れませんでした。私には一度も向けたことはなかったような冷たい目で私を一瞥してそのまま私の前から去ってしまいました。
私は悲しくて悔しくて、家を、飛び出しました。
それから兄とは会っていません。』

ここまでが私と、兄の話です。と少女は締め括った。
3人は黙っている。

『ここから先が、万事屋さんに兄を探して欲しい訳になります。
私は家を飛び出してから、田舎の団子屋で暮らしていきました。お婆さんの経営する美味しい団子屋で、田舎ながらも人の集まる店でした。
先月の事です、お婆さんの団子屋が、天人に襲われました。
壊された、等と言うことはなく、ただ荒らされたくらいだったのですが、お世話になっていたお婆さんの団子屋が荒らされて私は、やはり激昴したのです。
私が怒りに身を任すといつだって自体が悪い方へと向かいます。
私は天人を殴り飛ばしました。
人の体に、兎の頭のついた天人で、背丈は私と同じ位の体格がいい男だったのですが、私は昔から身体能力が高かった為、容易に怪我を負わせることができました。
私は天人が、これに懲りて帰ると思ったのですが、驚くべきことに、天人は起き上がると、私に婚約を申し出たのです。』


ここまで喋ると、少女は店主の前に出ていたグラスをとると、まだ手をつけていなかった店主の茶を飲み干す。

一息。


もう少し続きますが、付き合ってくださいね、と笑った。

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さくらんぼ☆*.゚︎ - 初コメ失礼します!このお話 最高です!続き気になります!更新頑張ってくださいね!!応援してます! (2022年12月12日 0時) (レス) id: def3760315 (このIDを非表示/違反報告)
薄良(プロフ) - お餅さん» うわあああ申し訳ねぇ.......細かい設定を忘れ去っていました。普通に主人公の年齢と合いませんね.......細かい年齢表記削除しておきますありがとうございます (2020年2月20日 0時) (レス) id: 38546ea573 (このIDを非表示/違反報告)
お餅 - あの…総悟が5歳のときって土方さんいましたっけ?土方さんが来たのって総悟が13くらいのときじゃありませんでした?違ったらすみません (2020年2月19日 18時) (レス) id: 436e739fd5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:薄良 | 作成日時:2019年5月6日 0時

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