237. ページ19
.
狭いベッドの中、寝相の悪い櫻井さんに蹴り出されて
私はソファの上で眠りこけていた
.
チュンチュン♪
なんて、可愛らしくスズメが鳴く朝がやってくるのは少女漫画の中だけで
カーテンから差し込む朝日で目を覚ましたときには、ぐったりとした気怠さだけが私を襲っていた(疲れが取れてないし！)
夢物語と現実の落差は激しい
現実は隣で眠る櫻井さんの、途中で止まるイビキが気になって
夜中に何度目を覚ましたかわからない
「ンゴっ！………………スピーーーー……。」なんてイビキが繰り返されるものだから
無呼吸症候群でそのまま死んでしまったらどうしよう……なんて、いらぬ心配ばかりしていたのだ
.
もそもそと起き出して、軽い朝食を作り始めた
櫻井さんがいてもいなくても、同じ日常は繰り返される
半熟の目玉焼きは、今日はいつも以上に上出来だ
パンの焼けるにおいとコーヒーの落ちる香ばしさが部屋の中に充満するころ
櫻井さんはおもむろにベッドから体を起こした
.
A「おはようございます。(私をベッドから追い出して)随分とぐっすりお休みでしたね。」
ちょっとだけ、嫌味まじりにそう言ってやった
翔「……あぁ。そう、だな……。最近忙しかったから、久しぶりにゆっくりと眠れたよ。」
櫻井さんには嫌味なんて通じない
と、言うよりも
本当に熟睡していて、私をベッドから追い出したことさえ気づいてないのだろう
どこか清々しい櫻井さんに、むぅっと不機嫌に唇をとがらせてやった
翔「何をそんなにむくれている。」
A「……別に。むくれてなんかいません。もうちょっとだけ、あーゆーときぐらい女の子にさせて欲しいだけです。」
翔「…………。」
A「昨日だって一人で！天国旅行いっちゃってましたし。」
一人で、を強調したことに気づいたのか
私の言葉に、櫻井さんの眉がピクリと動いたのが分かった
翔「ロマンチストは趣味じゃないと言っただろう。俺は俺の好きなように生きる。」
A「それに付き合わされる私は、大変なんですっ！」
翔「大丈夫だ。すぐに慣れる。」
A「そんなにすぐには慣れ…………────っ！！//」
布団をはいでベッドから立ち上がった櫻井さんは、相変わらず全裸のままで
中途半端に起き上がった顔の描かれていない、チンアナゴが
私におはよう！の挨拶をしていた(ように見えた)
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2919人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ｳｯﾁｰ(プロフ) - お話を、番外編をありがとうございます。ニヤニヤしながら、そしてちょっと幸せな気持ちで読みました。また、番外編お待ちしてます。 (2020年7月12日 17時) (
レス) id: 02c097111e (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - ああ、、かわいそうな相葉さん、、どうかどうか相葉さんも幸せになってほしい。にのちゃんどこいっちゃったの？？櫻井めっうまいことやりやがってｗｗ (2020年7月11日 22時) (レス) id: 73a1c370d8 (このIDを非表示/違反報告)
mamo(プロフ) - まさかの番外編ありがとうございました！やっぱりゾウガメって気になっちゃいますよね(笑)ジャーマネの横暴な態度に隠れる純愛が好きです。気まぐれ続番外編もお待ちしてます( *´艸) (2020年7月8日 23時) (レス) id: bdd1fe01f6 (このIDを非表示/違反報告)
みやび(プロフ) - 番外編めっちゃ楽しかったです！櫻井さん下の名前で呼んでほしかったんですね〜かわいい( 〃▽〃)もし叶うなら結婚式のプラスしてハネムーンもいかがでしょう？ 2人乗りチンあなご道中…ではなく、珍道中が気になったりします。 (2020年7月8日 23時) (レス) id: cba1643c88 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 番外編ありがとうございます( ´∀｀)結婚式、書いて頂けるんですか！子供とかも出来ちゃったりするんですか！ジャーマネ櫻井さんは子供にメロメロなんだろうなぁ… (2020年7月8日 22時) (レス) id: 96f199fab2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：四葉
作成日時：2016年9月4日 9時
