100話 ページ50
「なんの騒ぎ？」
「マクゴナガル先生が寝なさいっておっしゃったでしょう!」
女子寮からまた数人が降りてきた。隣の扉から男子寮からも何人かが出てきた。
「いいねえ。まだ続けるのかい？」
フレッドだ。相変わらず陽気に自分の赤毛をくしゃくしゃ撫でながら笑っている。
「みんな、寮に戻るんだ!」
「パース──シリウス・ブラックだ!僕達の寝室に、ナイフを持って!僕、起こされた!!」
ロンが弱々しく言った。
「ロン、食べ過ぎたんだろう。悪い夢でも──」
「本当なんだ!」
「おやめなさい!全く、いい加減になさい!!」
騒ぎを聞きつけて、マクゴナガルが戻ってきた。
ロンの言葉を聞いてパーシーと同じように悪い夢だと言ったけど、ロンがあまりにも必死に訴えるので、番人に聞く事にした。
「カドガン卿、今しがた男を一人通しましたか？」
「通しましたぞ、ご婦人!」
カドガン卿が叫んだ。
「と──通した？あ、合言葉は？」
「ご婦人、持っておりました。小さな紙切れを読み上げておりました!」
マクゴナガルが血の気の引いた顔で、震えた声で言った。
「誰ですか。合言葉を書き出して、その辺に放っておいた底抜けの愚か者は誰です？」
咳払い一つない沈黙を破ったのは、「ヒッ」という小さな悲鳴だった。
ネビルが頭のてっぺんからふわふわのスリッパに包まれた足のつま先までガタガタ震えながら、小さく手を挙げていた。
＊
その夜のグリフィンドール塔では誰も安心して寝付けなかったけど、だからといって次の日の授業がなくなってくれるわけではない。
大広間に降りていくと、Aとハーマイオニーは少し離れたところに二人で座っている。
翌朝グリフィンドールの生徒は目を擦りながら朝食について、各々いつも通り郵便を受け取った。
合言葉のメモを無くして、そのメモを見たブラックが男子寮に侵入したことが知れ渡って、ネビルは多くの罰則を与えられていた。そして、ついにこの朝の郵便で恐ろしい真っ赤な封筒までもが届いた。
吠えメールだ。
手紙をまるで爆弾のように持って大広間を出ていったネビルをかわいそうに、と見送っていると、ハリーは手に鋭い痛みを感じた。
「イタッ……!あ、ヘドウィグありがとう」
手紙だ。封筒の中身は、ハグリッドからのメモだった。
"ハリー、ロン、元気か？今日六時ごろ、お茶を飲みに来んか？俺が城まで迎えにいく。玄関ホールで待つんだぞ。二人だけで出かけちゃなんねぇ。そんじゃな ハグリッド"
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 402人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とま(プロフ) - ばるるさん» ばるるさん!コメントありがとうございます!!長くなりそうですが、地道に読んでくださると嬉しいです❕更新頑張ります❕😖 (2022年4月18日 23時) (
レス) id: 9bd2711725 (このIDを非表示/違反報告)
ばるる(プロフ) - この作品の1からここまで一気に読み進めてきました！とても読みやすくて面白いです(*^^*)体調にお気をつけてこれからも頑張ってください！o(^-^)o続き楽しみにしてます♡ (2022年4月18日 23時) (レス) @page31 id: f29cd1f82d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：とま x他1人 | 作成日時：2022年3月29日 23時
