90話 ページ40
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ロンとハーマイオニーの友情もこれまでかと思われた。
今回ばかりは、お互い相手の名前を出しただけで怒鳴り出しそうな雰囲気だ。
『ロン……やっぱりもう一度探してみよう?オレンジの毛はクリスマスの日からそこにあったかもしれないし……ね、ハリー?』
"何か言ってよ"というAからの目線にハリーが慌てて口を開いた。
「う、うん。そうだよロン。男子寮のベッドの下とか──もちろん僕も手伝うよ」
「………探したって出てきやしないよ。血がついてたんだ!!食われたんだ!!あの猫に!!そうだろ?!」
「状況的にはそうなるけど──」
「まぁ!!結局ハリーはそう言うのね!!!」
「えっ、」
ハリーの何気ない一言に、今度はハーマイオニーが癇癪を起こした。
「いいわよ。ロンに味方しなさい。どうせそうすると思ってたわ!!」
『ハ、ハーマイオニー?』
「最初はファイアボルト、今度はスキャバーズ。みんな私が悪いってわけね!!ほっといて。私、とっても忙しいんだから!!!!」
ハーマイオニーはヒステリー気味。一方、ロンは心底打ちのめされている。
Aはすぐさまハーマイオニーを追いかけようとしたが、ロンの背中があまりにも惨めで思わず思い留まった。
ロンとは小さい頃から一緒にいたけど、こんなに落ち込んでいるのは久しぶりに見た気がする。
騒ぎを黙って見ていた双子が、俺たちの出番かとばかりに弟を慰めにやってきた。しかしこの双子、慰め方が絶望的に下手くそだ。
「元気だせ、ロン。スキャバーズなんてつまんないやつだって、いつも言ってたじゃないか」
『うん。ネズミの寿命は3年くらいなのに、とっても長生きした』
「そう、ここんとこずっと弱ってきてた。一度にパッといっちまった方が良かったかもしれないぜ。パクッ──きっと何にも感じなかったさ」
「フレッドったら!!」
ジニーが憤慨してフレッドの背中をバシンと強めに叩いた。
ハリーが箒から落ちた時はあんなに上手に慰めていたというのに、自分の弟となるとそうはいかないらしい。
「あいつは食って寝ることしか知らないって、ロン、お前そう言ってたじゃないか」
「……僕たちのために、一度ゴイルの指に噛み付いた!!覚えてるよね、ハリー?」
「うん、そうだったね」
「奴の最も華やかなりし頃だな」
真面目くさった顔でロンを慰めていたフレッドとジョージが、ついにその表情もやめて片眉を上げた。
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とま(プロフ) - ばるるさん» ばるるさん!コメントありがとうございます!!長くなりそうですが、地道に読んでくださると嬉しいです❕更新頑張ります❕😖 (2022年4月18日 23時) (レス) id: 9bd2711725 (このIDを非表示/違反報告)
ばるる(プロフ) - この作品の1からここまで一気に読み進めてきました!とても読みやすくて面白いです(*^^*)体調にお気をつけてこれからも頑張ってください!o(^-^)o続き楽しみにしてます♡ (2022年4月18日 23時) (レス) @page31 id: f29cd1f82d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とま x他1人 | 作成日時:2022年3月29日 23時