76話 ページ26
「あまり元気そうじゃないね、どう?」
「ストレスだよ!あのでっかい毛玉のバカが、こいつをほっといてくれれば大丈夫なんだ!」
怯えるスキャバーズを持って怒ったロンに、ハリーは頷いた。
でも内心、それだけで本当に大丈夫になるのかは疑問だ。
ハリーは魔法動物ペットショップで魔女が、ネズミは普通3年くらいしか生きない、と言っていたことを密かに思い出していた。
*
クリスマス日の夕食、お腹いっぱいにご馳走を食べてAたちは談話室に戻ろうとしたが、ハーマイオニーはマクゴナガル先生に話があると行って一緒に帰って来なかった。
『ハリー、私もう一度ファイアボルトが見たい!』
「もちろんいいよ!ちょっと待ってて──」
談話室に戻る途中Aに興奮気味にそう言われ、ハリーは真っ直ぐに寝室に行って箒を持って談話室に下りてきた。
相変わらずその姿はどこから見ても完璧だ。
ハリーが持ってきたファイアボルトにAとロンが見惚れていると、肖像画の穴が開いてハーマイオニーが入ってきた。
──マクゴナガル先生と一緒に。
ハリーの記憶が正しければ、今までマクゴナガル先生の姿を談話室で見たのは去年、とても深刻な知らせをされた時の一度きりだ。
ハーマイオニーは三人を避けるようにして座り込むと、手近な本を開いて顔を隠した。
「これが、そうなのですね?」
Aもポカンと固まってしまっている。
まさか、マクゴナガル先生もファイアボルトを見に来ただけではないだろう。
「ミス・グレンジャーがたった今、知らせてくれました。ポッター、あなたに箒が贈られてきたそうですね。ちょっと、よろしいですか?」
マクゴナガル先生は返事も待たずにファイアボルトを取り上げると、箒を一通り見回して唸った。
「それで、ポッター。何のメモも付いてなかったのですね?カードは?何か伝言とか、そういうものは?」
「いいえ…」
「そうですか……」
ハリーもロンも、ポカンとしたまま固まって一言発するのが精一杯だった。
「さて、ポッター。これを預からせて頂きますよ」
「な、なんですって?……どうして?」
「呪いがかけられているか調べる必要があります。もちろん、私は詳しくありませんが、マダム・フーチやフリットウィック先生がこれを分解して──」
「分解……?」
「数週間もかからないでしょう。何の呪いもかけられていないと判明すれば返します」
「この箒はどこも変じゃありません!!先生、ほんとうです!!」
ハリーの必死の訴えに、先生は淡々と答えた。
402人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とま(プロフ) - ばるるさん» ばるるさん!コメントありがとうございます!!長くなりそうですが、地道に読んでくださると嬉しいです❕更新頑張ります❕😖 (2022年4月18日 23時) (レス) id: 9bd2711725 (このIDを非表示/違反報告)
ばるる(プロフ) - この作品の1からここまで一気に読み進めてきました!とても読みやすくて面白いです(*^^*)体調にお気をつけてこれからも頑張ってください!o(^-^)o続き楽しみにしてます♡ (2022年4月18日 23時) (レス) @page31 id: f29cd1f82d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:とま x他1人 | 作成日時:2022年3月29日 23時