【ハリーポッター】魔女が紡ぐ (ページ49)

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47話ページ49

ロンとハリーと教室を出て歩いていると、後ろから再び「おい!」とぶっきらぼうに声を掛けられた。

「なんだよ、まだ僕たちと一緒に居るなって言うのか？」

「……話したいことがある。ウィーズリーにじゃない。シャフィックにだ」

早々に威嚇するロンを宥めつつAが前に出た。

『分かった!ハリー、ロン先に行ってて？』

ハリーとロンは少し戸惑った後、ドラコをひと睨みして歩いていった。

＊

『なあに？』

呼び止めたはいいものの、ドラコは黙ったままだ。

いつも艶やかな彼を象徴するホワイトブロンドの髪が、俯いているからよく見える。

下から覗き込むと、目が合ったドラコが勢いよく顔を上げた。

『うわっ、ビックリした』

いきなり顔を上げた彼に驚いて体勢を崩したAの腰に、ドラコが咄嗟に手を添えた。

ロンだったら服とか掴みそうな所だが、いやそれも彼の優しさであって、不器用さで、そこが彼の可愛い所なんだけど、ドラコのこういう所は流石良家のお坊ちゃんだ。

体勢を直したAから腕を離すと、小さな声でドラコが言った。

「その.....少し言い過ぎた。悪かった」

目線を逸らして、小さな声で、それでも彼のプライドからは考えられない言葉を聞いた。

彼の沸騰しそうなほど赤い顔から、意を決した言葉だったと分かる。

Aは嬉しそうに笑って、もじもじと行き場のないドラコの右手を掬って握った。

『許してあげる!』

その言葉にドラコは顔を上げて、あまりに眩しい満面の笑みに、困ったように笑った。

＊

「A、遅かったな。ハリーとロンはもう来てるぜ」

『フレッド!ありがとう!』

フレッドが渡してくれたハロウィンのお菓子を口に入れて、ロンとハリーの席に急いだ。

『あれ、ハーマイオニーは？』

遅れて大広間に着いたAがハリーに聞くと、近くのネビルがお菓子を食べながら言った。

「トイレに篭って出てこないんだって。そこで泣いてるみたいだよ？ずっと」

『泣いてるの？どうして？』

その言葉にハリーとロンが目を合わせた。

『二人、何か知ってるの？』

答えてくれない。でも、主にロンが何かあったのは見てわかった。

『.......私もトイレ!!』

「A!大きい声で言わなくていい!」

『ごめんなさい!』

女の子だろ!とパーシーに叱られたけど、とにかく早く行かなければいけないので走りながら謝った。

「全く……」

「Aのやつ、随分元気に便所行ったな」

「いや、俺には慌ててるように見えたけどな」