【ハリーポッター】魔女が紡ぐ (ページ48)

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46話ページ48

ハーマイオニーはムッとしたが、すぐに背筋を伸ばした。

「いいわよ……ウィンガーディアム・レビオーサ」

羽はハーマイオニーの杖に合わせてふわふわと浮遊した。

「よく出来ました!みんな見たかね？ミス・グレンジャーもやりました!素晴らしい!」

ハーマイオニーは得意げにロンを見たが、ロンは面白くないのか二冊ほど積み重ねられた本の上に顎を置いて、そっぽ向いている。

そんな光景を横目に見ていると「おい!」と怒った声が降ってきた。

見なくてもわかる。ドラコだ。

そういえば、羽を乗っけっぱなしだったか。とAがドラコの方を向くと、普段は青白い顔を赤くしたドラコと目が合った。

怒りのせいなのか、プルプルと肩を震わせるドラコの頭の上で、羽も一緒に震えている。

「お前は純血であるシャフィック家の娘なのに、こんな呪文も使いこなせないのか？全く、呆れるね。それに……それもあのウィーズリー達と懲りずに連んでいるからさ!少しは家柄に恥じない行動をしようとは思わないのかい？」

目が合ったかと思うと、一気にとんできた罵声にAが大きな目をぱちくりと瞬いた。

「自分の羽なんかちっとも浮かなかったくせに」とロンが言って、隣のハーマイオニーに強めに小突かれたのが視界の端で見えた。

ハリーが心配そうに見つめる中、Aがゆっくりと口を開いた。

『私は、家族に恥をかかせるようなことしてない』

『純血以外と関わることを、私は家族に恥じなきゃいけないの？お母様が生きていたら、"ロン達と関わるのはやめなさい"って私を叱るの？』

Aの碧い目がドラコを捕えた。

『私も、私の母も、そこまで落ちぶれていないわ』

怒りに肩を震わせていたドラコが、その碧眼に見入っていた。

まるでブラックホールのようにみるものを吸い込んでしまう瞳に、ドラコの怒りも、生徒の視線も全て吸い込まれてしまうようだった。

『羽を乗っけちゃったことはごめんなさい。練習したはずなんだけど、緊張しちゃって、うまくできなくて……』

もにょもにょと言いづらそうにするAが、『でも!』と続けて瞳を輝かせた。

『真っ白い羽とっても似合ってた!』

あまりにも屈託なく笑うので、ほとんど全員がポカンと口を開けた。みるみるうちにドラコの顔が赤くなる。

『絵本から出てきた王子様みたいだったわ!ね？ハリー』

「えっ、あ……うん。そうかもね」

固まったドラコの顔は紅潮して、数回瞬きをした後、フンと前を向いてしまった。