君に大きな愛という花束を～歪な関係～【苺】 (ページ6)

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嫌な気配ページ6

深音side

今日の分の全授業が終わり、いつも通りの帰り道を歩いていた私。

夕飯は何にしようかなぁと考えながら家に向かっていると、背後から奇妙な気配を感じた。

……最近、こういうこと多いんだよなぁ。誰かに付けられてたりするのかな。

私はため息をついて歩くスピードを速めた。

現状は特に被害はないし、私も推しに対して似たようなことをしてるみたいなものから、

私のことをストーカーしてる人を責めることは出来ない。

でも、家まで付いて来られるのは流石に困るな。

”どうしよう”と悩みながら、私は家の近くにある公園に寄ってベンチに腰を掛けた。

鞄から教科書とシャーペンを取り出し、勉強してるフリをする。

誰かがこちらに近づいてくるを感じながら、私はシャーペンをギュッと握り締めた。

何かされたら、これを体にぶっ刺して逃げよう。

そう決意を固めていると、男性らしき影が私の前に止まった。＿＿＿来た！！

鞄と教科書を持ちながら、私は片手で握っていたシャーペンを思いっきり突き上げた。

「うぉっ！？」と目の前の男性が驚いている声が聞こえた瞬間、私の中に疑問が生まれた。

”あれ、この声って……”と思いながら顔を上げると、

目の前にいたのは私の推し＿＿＿さとみくんだった。彼の隣には、ころんくんらしき人までいる。

さとみ「ビビったー！深音ちゃん、どうしたの！？」

『ご、ごめんなさい！！里美さんに危害を加えるつもりはなくて……！

　私のストーカーが目の前に現れたのかなと勘違いしちゃっただけなんです』

ちゃんと誰が来たか確認すれば良かった。ホントに申し訳なさすぎる。

精一杯の謝罪を伝えるために頭を下げていると、さとみくんが「ストーカー……？」と呟いた。

ヤバい、焦りすぎて余計なことまで口走ってしまった。

結構ハッキリ言っちゃったし、ここで否定するのも変だよね。

ゆっくりと顔を上げ、私はお二人に誰かにストーカーされていることを話した。

後ろから気配はするけど、その正体は掴めていないということ。

相手に住所がバレないように今日は公園に寄ったということ。

それから、さっきの行為は自分の身を護るための防衛だということを説明した。

事情を聴いてもらっているうちに、また新たな疑問が私の脳裏に浮かんだ。

ー－－そういえば、何でこの二人は公園にいるんだろう……。