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そしてテスト当日、朝から暗記科目の復習をさせ、テストが始まるまでは私の教室で不安要素をなるべく減らす。クラスメイトがどんどん集まってきたので、彼はいくつか確認してから教室を出ていった。
「おはよお」
「おはよう、弥生ちゃん。眠そうだけど、徹夜したの？」
「徹夜はしてないよー、睡眠時間が二時間なだけ……」
「ちゃ、ちゃんと寝ないと駄目だよ……」
弥生ちゃんは私にこそ頼らなかったものの、やはり最後の三日間で頭に詰めたらしい。酷く眠そうに欠伸をして私の席を経由した。きちんと真面目に英語の単語帳を開いていてとても偉い。
始まってしまったら私には彼らを応援することしか出来ない。いつも通り、誰よりも早くシャーペンを置いて見直しをする。特に不安要素はないが、凡ミス等で満点を逃すのは嫌だった。
きちんと見直し確認をして問題ないと判断し、脳内チェスで残り時間を潰す。案外チェスは時間を潰せるのだ。次の数学は将棋にしようと考えながら、私は脳内でナイトを動かした。
国語、数学、生物基礎と進み、残る科目は明日明後日に引き渡された。私はいつも通り図書館へと足を運ぶ予定だが、そう言えば影山くんはどうするのだろう。朝聞くのを忘れてしまった。
「神風」
「あ、影山くん。テストお疲れ様」
「おう……」
「本当に疲れてるね……今日はもう帰るの？」
「お前は？」
質問しているのは私なのだけど、彼はそう言って上から私を見下ろした。少し疲れているようなので、今回は許してあげることにした。
「私はいつも通り図書館に行くけれど……午後まで開いているそうだから」
「あっそ」
それだけ言うと、彼は鞄を担ぎ直して私の隣に立った。見上げると、彼は首を傾げて不思議そうに、
「行かねえのか」
と言った。私は少しぽかんとして、微笑んだ。
テスト二日目、今日は一緒に帰れないからよろしくね、と影山くんに断っておいた。彼は珍しいと言いたげに目を丸くしたあと、不満そうに頷いた。明日は彼の苦手な現国があるから教えてあげたかったけれど、前からしていた約束があったのだ。
「つ、月島くん」
「行くよ」
彼はさらりとそう言って教室を出るので、私も慌てて着いていく。
今日は彼にお礼としてケーキを買いに行く日なのだ。だから申し訳ないが影山くんに付きっきりは出来ない。
月島くんは歩くのが早かったはずだが、私の少しゆっくりとした足取りに合わせてくれる。やっぱり優しい人だな、と彼を見上げると、彼は目を逸らした。
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ReG(プロフ) - なこさん» 閲覧して頂きありがとうございます。今後も読んでくだされば幸いです。 (2022年4月18日 14時) (
レス) id: d40d8fc65b (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - とてもおもしろくてすいすい読めて読み応えがあります(^-^)/ 更新楽しみにしております(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)” (2022年4月2日 19時) (レス) @page22 id: 5054bb840e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ReG | 作成日時：2022年3月22日 15時
