紅葉を纏う少女 (ページ30)

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紅葉が28枚ページ30

NOside

一之瀬｢じゃあつまり、指示さえされれば最初から動いていたし、シュートを打ってたって事か？｣

優羽｢そう｣

紅月は短く答えた。
だがやはり、疑問が消えない者もいる訳で･･･

塔子｢でもそれって、何かおかしくないか？｣

塔子が言葉を発する。
紅月はその笑顔を塔子に向けた。

塔子｢サッカーって自由に楽しくするものだろ？指示ばっか受けるよりは、もっと自分の意思でプレーした方がいいんじゃないのか？｣

風丸｢まぁ、確かにな｣

鬼道｢それにあれ程の実力があるんだ･･･自分らしいプレーをすれば、もっと強力な戦力になるはず･･･｣

優羽｢･･･｣

みんなの声に紅月は黙り込んだ。
下を向いているせいでどんな表情をしているのか分からない。

円堂｢紅月？｣

紅月が俯いている事にいち早く気付いた円堂はその顔を覗き込もうとした。

瞬間、紅月は顔を上げた。
紅月はいつものように笑っている。

優羽｢･･･どうでもいいから｣

円堂｢え？｣

紅月の言葉に一同はまたしても瞳に疑問の色を浮かべた。

優羽｢私の意思なんてどうでもいいの｣

その言葉の意味を知る者は密かに彼らの話に耳を傾けていた瞳子だけだった。

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突然何かの機械音がキャラバンの中に響いた。
塔子の携帯の着信音らしい。

塔子はポケットから携帯を取り出し、電話に出た。

塔子｢あぁ、角巣･･･え！？パパが見つかった！！？｣

どうやら総理大臣が見つかったようだ。

秋｢良かったじゃない！｣

春奈｢お父さんに会えますね！｣

塔子｢･･･東京には戻らないよ｣

塔子は断言した。

塔子｢あんな奴らは絶対許せない｣

その瞳に嘘はなかった。
雷門イレブンとともにエイリア学園と戦ったからこそ言える事だった。

塔子｢だから･･･みんなと一緒にサッカーで戦う！円堂、一緒に戦おう！｣

円堂｢よし、地上最強チームになろうぜ！｣

二人は拳を合わせた。
お互いの意志を確認するように。