この世界で生きていく6《サイドストーリー編》

とある日のミットラス02 ページ29

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ファ「ぶははっなんだ水遊びしてんのかよ？」

リヴァイ「‥‥違う。」ムスッ

ファ「何があったか知らないけどさ。ちょうど良かった。シャツを手に入れたからこれに着替えろよ。」


着ていた服で髪を拭き、ファーランの差し出したシャツを着た。

ファ「なあ。腹減ったから市場の方へ行こうぜ。」


ミットラスにも市場はあった。地下街のそれとは随分と違うが、食事する店には身なりで断られる俺達には有難い場所だ。

ファーランと市場を歩いていると後ろからシャツを引っ張られ、振り向くと


‥‥さっきのガキじゃねぇか！


リ「お前は‥‥」

子「おにーちゃん！」

リ「は？」

子「あんな、あのひとがよんでるん。」ニコーッ

リ「あ？」

その子が指差す方から男がやってくる。

ファ「おいリヴァイ！誰だよ？」

リ「知らねぇ。おい、お前‥‥」

さっきのガキがまたいない。


男「ああ、君たちがさっきの子のお兄さん？あの子の食べたパン代を払ってくれるね？」

リ「‥‥何言ってんだ。知らねぇよ。」

男「いやいやいや。困るよ。払ってくれないと。」

リ「そっちの確認不足だろ！俺達は無関係だ。」

男「‥‥新手の万引きか？その身なりは地下街のヤツだな。憲兵を呼んでもいいんだ。」

リ「あ"あ"？」ズイッ

ファ「ちょっ待てリヴァイ！(騒ぎを起こすな！まだ来たばかりじゃないか！)‥‥分かったよ。払うよ。だけど、本当にあの子は知らない子なんだ。」

男「払うんなら、その子との関係は俺にはどうでもいいさ。」

そう言うと男は去っていった。

リ「おい！ファーラン。」

ファ「憲兵呼ばれるより安上がりだろ！なんなんだ、さっきのガキは。」

リ「くそっ次見かけたら締め上げてやる！」


それはすぐにやってきた。

屋台に手を伸ばしてリンゴを取ろうとしているさっきの子を見かけた。


リヴァイはその子の手を掴んで裏道へ引っ張りこんだ。

リ「おいガキ！万引きするなら1人でやれ。俺達を巻き込むんじゃねぇ！」

子「まんびきってなに？」

悪びれる様子もなく、本当に分かってない様子に

ファ「マジかよ。あのなぁ、あそこに置いてあるのは売り物で金を払って買う物なんだよ。勝手に取って食っちゃいけないんだぜ？お前、金持ってないなら取っちゃダメなんだ。」

子「そうなん？しらんかったー。」

リ「ひでぇ訛りだな。お前の親は？」

子「おとうちゃんがいるよ？」

ファ「どこに？」

子「しらん。」



おいおいおい。迷子かよ！






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