遭難からの鬼退治14 ページ24
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‥‥なんだ?この温かく柔らかな感触は。
‥‥っ!!!
「あっおはようございます。」ニコッ
俺を見下ろすAの笑顔があった。
‥‥なに!?Aの膝なのか!
Aに背を向けながら起き上がる。
「何故起こさなかった。」
「‥‥起こしたけど、起きなかったんです。」
「ウソをつくな!そんな訳ねぇだろが!くそっ何故俺も目が覚めなかったんだ!」
「大丈夫でしたよ。」
「それは結果論だ。森の中だぞ!何かあったからでは遅いんだ!」
「ここは壁外じゃありません。森は私のホームみたいなものだから大丈夫です。兵長だって泥の様に眠ってたじゃないですか。‥‥眠ってくれて良かったです。」
「起きなかった俺も問題だが‥‥二度とこんな事はするな。‥‥集落の位置を確認してくる。」
そう言って一度も振り向きもせず立体機動で一番高い木に登っていった。
くそっ!失態だ!昨夜の眠気は異常だったとはいえ、俺は一晩あいつの膝で寝ただと!?
目が覚めた時に一番にあいつの笑顔が目に飛び込んできた。
‥‥マズい。不意打ちすぎだ。顔が熱い。
「はあっ‥‥くそっ」
ドキドキと煩い胸を押さえ、頭を抱えた。
‥‥‥兵長の耳が真っ赤だったような?
まさかね。
でも怒ってたなぁ。
‥‥薬草を混ぜた事はバレてないよね?ドキドキ。
パシュゥゥと信煙弾が上がった。兵長が撃ったのか。
‥‥つまり、私達の安否を知らせる為のもので‥‥
しばらくして兵長が戻ってきた。
「集落は近いぞ。昼には着きそうだ。狼煙が上がっていたから救援班が来ているのだろう。A、もう少しだ。」
「はい。」
もう少し‥‥あと少しでこの2人きりが終わってしまう。
それからの私は殆ど喋らなかった。
ただただ、この時間を惜しむように‥‥兵長に掴まっていた。
しばらく行くと道を見つけた。
「兵長、道です!」
「道?」
「わかりにくいですけど、確かに人が通った道です。きっと集落にたどり着けますよ。」
「‥‥そうか。」
その道らしきを辿ると、確かに山道に出た。
遠くから私達を呼ぶ声がしてきた。
「兵長!」
「ああ、聞こえるな。‥‥やっと着いたか。」
だんだんとその声に近づいた。
「ああ!モブリット副長!?副長ぉーー!!!」
モブリット「Aか!?」
副長の声に駆け寄ろうとした時、兵長が私の腕を掴んだ。
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うさ(プロフ) - しおんさん» しおんさん。ドロドロの愛憎劇ではないですけど、面白く読んで頂けて良かったです!リクエストありがとうございました(*´∀`*) (2018年8月21日 19時) (レス) id: 9cfea4285a (このIDを非表示/違反報告)
しおん - うささん» リクエストに答えていただきありがとうございます!面白かったです! (2018年8月21日 14時) (レス) id: e7ba8b9b8e (このIDを非表示/違反報告)
しおん - うささん» ごめんなさい、ならちゃんと見れます! (2018年8月4日 8時) (レス) id: e7ba8b9b8e (このIDを非表示/違反報告)
うさ(プロフ) - え?ほんとですか?今最新は「一番強い者逸話集01」です。手直ししたりしてるからそれが更新として認識されてるのかな? (2018年8月3日 22時) (レス) id: f6736a8082 (このIDを非表示/違反報告)
しおん - 更新されているのは分かるんですが新しいお話が見れないんですけど、これって大丈夫ですか? (2018年8月3日 21時) (レス) id: e7ba8b9b8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うさ | 作成日時:2018年4月5日 22時