遭難からの鬼退治10 ページ20
翌朝
足の腫れは随分引いて何とかブーツも履けた。
「兵長、まだ痛みは残ってますけど、行けそうです。」
「そうか。仕方ねぇが、ゆっくりもしてられねぇ。出発するか。」
まだ昏睡している婆は憲兵が来るまでしっかりとロープで縛り、届く範囲に水と食料を置いておくことにした。
森へ入った早々、Aの歩くスピードが落ちた。
‥‥やはり無理があるか。
俺はAの腕を取り、肩に回した。
「へ、兵長!?/////」
二人三脚のカタチだが、足への負担は軽くなるたろう。
「まだ先は長い。無理をさせてすまない。」
「‥‥っ!そんな!私の方こそ、すみません。‥‥ずっとご迷惑をかけっぱなしで‥‥」
「気にするな。‥‥俺は支えてやれるが森の事はわからねぇ。森の中はお前に任せる。」
「はい!」くるっ
「!」
「‥‥!/////」
顔が近い‥‥//////
「わ、わわ私も、立体機動装置があれば、もっと楽でしたね/////」
「お前の立体機動装置は俺が外したあと土砂に巻き込まれた。まあ、あったとしてもガスが足りなくなる。歩くしかねぇ。‥‥方向はこっちでいいのか?」
「はい。方向は南西ですけど、直線ルートより少し迂回します。」
「なぜだ?」
「んー。木の生え方ですね。」
コンパスで確認すると方向はピッタリだった。大したもんだな。
道なき道を行くが、Aのナビで難なく進める。
木々の間を抜ける時、足を止めた。
「わっ!どうしたんですか?」
「‥‥デカ過ぎる。」
「え?ああ。立派な蜘蛛の巣ですね。」
Aは木の枝で蜘蛛の巣を払うと巣の主がその枝を伝ってきたので素手で蜘蛛を掴んだ。
「大きな女郎蜘蛛。ほら!」
「やめろ!!!」
「えっ?」
「俺に近づけるんじゃねぇ!さっさとそれ離せ!」
「‥‥もしかして、兵長って虫が苦手ですか?」
「苦手じゃねぇが、得意でもねぇ。足が4本以上あるヤツは俺に近づけるな。特に足の数が多いヤツほど近づけるなよ。分かったか!?」
足が4本って昆虫は6本以上なんだけど。‥‥つまり虫は近づけるなってことね。ふふっ
「了解しました。」
「‥‥お前は平気なのか?」
「虫はどんなのでも全然平気です!毒の有無や食べ方も知ってます。」
「食べ方だと?正気か?」
「ええ。この女郎蜘蛛も食べられますよ?」
「バカか!まだ持ってんのか!」ゾワッ
くすくすくす
「‥‥てめぇ。」
「スミマセン。では兵長の小さな敵は私が追い払いますね。」
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うさ(プロフ) - しおんさん» しおんさん。ドロドロの愛憎劇ではないですけど、面白く読んで頂けて良かったです!リクエストありがとうございました(*´∀`*) (2018年8月21日 19時) (レス) id: 9cfea4285a (このIDを非表示/違反報告)
しおん - うささん» リクエストに答えていただきありがとうございます!面白かったです! (2018年8月21日 14時) (レス) id: e7ba8b9b8e (このIDを非表示/違反報告)
しおん - うささん» ごめんなさい、ならちゃんと見れます! (2018年8月4日 8時) (レス) id: e7ba8b9b8e (このIDを非表示/違反報告)
うさ(プロフ) - え?ほんとですか?今最新は「一番強い者逸話集01」です。手直ししたりしてるからそれが更新として認識されてるのかな? (2018年8月3日 22時) (レス) id: f6736a8082 (このIDを非表示/違反報告)
しおん - 更新されているのは分かるんですが新しいお話が見れないんですけど、これって大丈夫ですか? (2018年8月3日 21時) (レス) id: e7ba8b9b8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うさ | 作成日時:2018年4月5日 22時