人類最強と私の恋愛事情4―希望の行方―【進撃】【リヴァイ】

第56回壁外調査8　　―リヴァイside ページ8

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リヴァイside





隊列に沿って、馬を走らせる。

すり抜けて行く風を感じながら、リヴァイの胸の内は、何故か少しだけモヤモヤしたものを残していた。



『俺はアイツを特別扱いする気はねぇ。一人の兵士として指示を出すのは当然だ』

ぺトラの言葉に、そう答えた



エルドとAを増援に向かわせた判断は、…間違っていない


もちろん、そう思って指示を出した


だが、その結果がわかるまで、実際にはそう断言することはできないだろう





頭の中では理解している

結果は誰にもわからないのだから…




ただ、自分がそう選択したという事実だけが残る

これからも、こうして選択を強いられていくのだろう


その度に、頭を悩ませる

その繰り返し





今朝、Aが言った言葉が蘇る…


『私は私の役割を果たす。いつも通りに』


アイツは俺の言った言葉の意味も、そして俺が何を望んでいるのかも、きっと全て理解している




『俺は、壁外でお前を守ることができない』

俺がアイツに言った言葉



それは、兵士長として、任務を優先するが故に…―――





命令に従い、任務を遂行する

付き合う以前から、そのことにおいてアイツには絶対的な信頼があった


そして、俺の中に芽生え始めていた思い

―――コイツなら俺が守らなくても、死ぬことはないのではないか…


兵士たちを死の淵へと連れて行く中で、俺はいつのまにか、守らなくてもいいもの欲していたのかもしれない

だが、そんなものは、自分にとって都合のいい我儘でしかないだろう


それでも、…アイツは俺を受け入れてくれた




『大丈夫。私は守られなくても大丈夫なくらい強くなる。絶対に死んだりなんかしない。

…だから、あなたを愛していてもいいですか…？』




俺は、アイツにこの上なく甘えているのだろう……


そう思う





だから、尚更のこと、強く思う




アイツなら、絶対に死んだりなんかしねぇ…




手綱を握る手に、いつの間にか力がこもっていた…―――。




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