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約束の果て4  ―幻のような ページ33



 



私達は、任務を果たせなかった

私達を信じて、エレンを託したのに…




結局、何もできなかった自分が情けない

悔しくて悔しくて仕方ない




あの人の重荷になりたくなかった

だから強くなりたいと思った

少しでも役に立ちたいと願った




貴方の隣にいたいと思ったから…――――







『…大丈夫。私は守られなくても大丈夫なくらい強くなる。絶対に死んだりなんかしない。だから、…――――――』





リヴァイと初めて身体を重ねたあの夜





『…あなたを愛していても…いいですか…?』





私があの人に言った言葉






『俺は、壁外でお前を守ることができない…』






苦しそうにそう告げた、彼の言葉の意味はすぐにわかった



戦いの中に身を置くことも

兵士長という立場も

自分の役割を果たす意味も

生と死の狭間で、常に厳しい選択を強いられることも

仲間の命を預かるという重圧も




何もかもを背負ったままで

それでも貴方はそれに負けない強さを持っていた

だから、貴方の隣にいるためには、強くないとダメだと思った



これ以上の何かを、貴方が背負わなくていいように

守られなくても大丈夫なくらい

強くありたいと…





だけど、もう……






暗闇に飲み込まれる。

喪失感と絶望感に捕らわれ、まるで吸い込まれるようにぽっかりと開いた闇の奥へと堕ちていきそうな感覚。





結局、私は何もできずに

約束も果たせずに

貴方に会うこともできずに、このまま…―――





ごめんね



リヴァイ…

私は…―――――





その時ふいに、森の奥の方で動く影を視界に捉えた。
立ち並ぶ木々の向こうから立体機動でこちらへと向かってくる人影が一つ。




「――……ッ」



―――嘘……




一瞬、幻かと思う。


だが、見間違えるはずがない。
絶対に見間違えるはずがない。


涙でかすんだAの視界に映るその姿。
それは、愛する人――――リヴァイ、その人だった。





「…リ…ヴァイ…――ッ」







約束の果て5  ―交錯する想い→←約束の果て3  ―哀傷



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沙羅(プロフ) - 日番谷冬獅郎さん» 本当にありがとうございます!頑張ります(*´∀`) (2017年8月8日 23時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
日番谷冬獅郎(プロフ) - いえいえ!泣かないで下さい!これからも応援してます! (2017年8月5日 1時) (レス) id: 5af4cf99a2 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 日番谷冬獅郎さん» すみません!通知がきてなくて今気づきました(泣)ハンジさんと同じ声優さんなんですね!?知らなかったですΣ(゚Д゚*) ハスキーな感じで素敵な声ですよね!応援ありがとうございます!無事続編へ移行しました。これからもよろしくお願いします! (2017年8月5日 0時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
日番谷冬獅郎(プロフ) - 同じですね!冬獅郎とハンジ同じ声なんですよね!頑張って下さいね (2017年8月1日 23時) (レス) id: 5af4cf99a2 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 日番谷冬獅郎さん» 続けてコメントありがとうございます!朝方までですか…!?本当にありがとうございます!(泣)もう少しで続編公開できそうです!頑張ります!冬獅郎、カッコいいです!最初の頃の方しか読んでないのですが^^;、とりあえず冬獅郎さん大好きでした〜!(*´∀`*) (2017年7月31日 22時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年12月9日 15時

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