人類最強と私の恋愛事情7―決戦の時―【進撃】【リヴァイ】

第57回壁外調査2　　―胸騒ぎ ページ18

・





壁外へ出て馬を駆けらせ、しばらくの時間が経った。

陣形も乱れておらず、今のところ順調に思える。



とは言っても、ここは五列中央、陣形の中で最も安全な場所

ここでは変わりなく見えても、初列の索敵班はどこかで交戦しているのかもしれない



それに、何故だかわからないけど、妙な胸騒ぎを感じる

頭上に広がる青い空には似つかわしくない不穏な空気…


それを感じて、Aは思わず胸に手を当てた。


いや、気のせいだ…

そう言い聞かせる。



その時、前方に緑の煙弾が上がった。



「煙弾、緑だ…。オルオ、お前が撃て」



リヴァイがそれを確認し、指示を出す。

その声はいたって冷静だ。
変わらない声を聞いて、Aはやはりただの思い過ごしだと安堵する。



「了解です！」



オルオが煙弾を撃ち上げる。
するとそれとほぼ同時に、隣の班の班員が馬を駆けらせてやってきた。



「報告します！！口頭伝達です！右翼索敵、壊滅的打撃。索敵一部機能せず。以上の伝達を左に回して下さいッ！！」



右翼側が壊滅……！？

その情報に思わず息を呑む。



「ペトラ、聞いたな。行け」

「はっ！」



リヴァイが指示を出し、ペトラが伝達へ向かう。



壊滅的打撃とは、どの程度のものなのだろうか…？

索敵が機能しなければ、巨人と遭遇する危険率が上がる

陣形も保てていないとなれば、その危険度は飛躍的に……


だが、さっき緑の煙弾が上がったばかりだ

それはこのまま作戦続行ということ


まさか、エルヴィン団長のところまで伝達が回っていない……？

そんなこと……



Aの胸の中を不安に似たものが駆け巡る。

とその時、右翼側の比較的近い位置で黒い煙弾が上がった。



奇行種…！？





・

第57回壁外調査3　　―伝令→←第57回壁外調査1　　―翼

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す