壁外調査2 ―怖くない ページ4
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私は出発に備え、馬の準備をしていた。
ふと後ろに気配を感じ、振り返ると兵長がいた。
「…おい、調子はどうだ？クソガキ」
「お陰さまで。やっと巨人にお目にかかれると思うと嬉しいです」
「それだけでかい口が叩ければ、上等だな」
調査兵団へ戻ってから今日まで、リヴァイ兵長には散々鍛えられた。
普段の訓練に加え、体力作り、筋力トレーニング、格闘術、座学に及ぶまで、特別課題を与えられ、壁外で必要なことを全て叩きこまれた。
それもこれも巨人を倒す為。
とりあえず巨人の一体でも倒せればそれでいい。
そう思っていた。
それで、調査兵団に入団させてくれた恩返しくらいにはなるだろう……
「俺が言った言葉、…覚えているか？」
『自分の目でこの世界を確かめろ』
兵長が私に言った言葉
そして、『死ぬかどうかはそれから決めろ』と……
「……覚えています」
「後はお前次第だ。…選択を誤るなよ」
「………」
―そんなことを言われても、わからない
私には何も残っていない。
家族も、仲間も、愛する人も、何も……
生きていく意味が見出せるのだろうか。
この残酷な世界で……
ふいに、兵長の手が私の方に伸びてきた。
私はいつものように頭を叩かれるのかと思い身構えたが、兵長は私の頭の上に手を乗せるとクシャクシャと撫でた。
その仕草が優しくて、思わずハッとして兵長の顔を見る。
「お前の腕はトップクラスだ。俺が保障する。…自分の力を信じてみろ。必ず人類の役に立つ」
「………はい…」
少し嬉しいと思った。
初めて褒めらたような気がした。
いつもは厳しくて、険しい顔で睨みつけるくせに、時々こうして優しさを見せる。
ズルイ人だ……
―期待してはいけない。期待してはいけない。期待してはいけない……
自分にそう言い聞かせる。
―…いや、…私は一体何に期待しているというのだろう……？
兵長が去った後、私は立体機動のベルトにつけた星型のキーホルダーをそっと手にした。
気まぐれでくれたものだろう。
でも、嬉しかった。
だからと言って……
…バカだな、と思う。
兵長は一人の部下として自分に接しているに過ぎない。
―…期待してはいけない
この世界に…？
それとも、あの人に…？
この世界には、希望なんてどこにもない
でも、
それもどうでもいい
私は今日きっと死ぬのだから
死ぬのは、怖くない……
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沙羅(プロフ) - ふぉらわーさん» ふぉらわーさん！part2初コメント！ありがとうございます！！もう嬉しすぎて号泣の作者です(T∀T)しかも感動して頂けたなんて…｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡本当に嬉しいです！実は今、part7に突入しているのですが（長いっ）もしよかったらお待ちしてます！応援感謝です！ (2016年5月30日 22時) (
レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
ふぉらわー - 兵長が夢主ちゃんを抱き締めて思いを伝えるシーンに感動しました…！！！これからもがんばってください…！！(´;д;)ゝ (2016年5月30日 15時) (レス) id: 8ad82dbea3 (このIDを非表示/違反報告)
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