それぞれの思い6 ―涙の痕 ページ43
・
アイツを班から外すと言ったのは、脅しではない
本心だ
もし、アイツ自身の感情の為に、班の歩調を乱すというなら、その選択肢もあり得る
わずかに細めた瞳に、鋭い光が宿る。
後は、アイツ次第だ―――
・
・
窓の外が夜の帳に包まれ、シンとした部屋の中には、物音ひとつしない。
何時間くらい部屋にいたのだろう…
時間の感覚がない
Aはあれからずっと椅子に座り、机に顔を伏せていた。
出る涙もいつの間にか枯れ、それとともに頭の中がスッキリとした感覚になっていた。
リヴァイから言われた言葉を整理しながら、ずっと考えていた。
これまでの自分、これからの自分
そして、自分は何がしたいのか…
ふいに聞こえたドアをノックする音に、Aは一瞬ビクリと肩を震わせた。
ドアの方向に視線を送る。
予想通り入ってきたのはリヴァイだった。
「…リヴァイ……」
ガタンと椅子から立ち上がる。
充血した瞳に、うっすらと残る涙の痕。
リヴァイは複雑な表情でそれを見やった後、口を開いた。
「……少しは頭が冷えたか？」
黙ってうなずいた後、「兵長…」という言葉で切り出したAの言葉に、リヴァイは真剣な瞳を向けた。
「…先程は申し訳ありませんでした。…兵長の言う通り、私はきちんと状況判断を下せていない状態で動きました」
いつの間にか握っていたAの拳にギュッと力が入る。
「…それに実際、あの時エレンにブレードを構える発想さえありませんでした。……兵長の言う通りです。私には、覚悟ができていませんでした」
Aはリヴァイに向けていた視線を、少しだけ斜めに落とした。
自分に対する悔しさや、ふがいなさ、後悔がAの胸を締め付ける。
でも、それでも……私は……
「…それで、…お前はどうしたい？」
リヴァイの問いかけに、Aは改めてリヴァイの視線を正面からとらえた。
「もし、許していただけるなら、このままこの任務に就かせて下さい。…もう、決して判断を誤ったりしません。絶対に」
「…………」
Aの真意を見定めるように、鋭い視線が注がれる。
二つ返事で許されるとは思っていない。
Aは小さな沈黙の後、強い瞳で言葉を続けた。
「…可能であるなら、エレンと、少し話をさせてもらえませんか？…お願いします」
「……わかった。…いいだろう」
・
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まやや - Wwwハンジwwwwwアニメでは団欒の後に出てくるからそれがここでも生かされてる(?)面白い。ちょっとえちちな展開もいい。嫉妬しちゃう、第三者目線でしか見れないから。。つら (2020年10月24日 0時) (
レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ミーナさん» コメント感謝です！！嬉しいお言葉を、たくさんありがとうございます！！本当に嬉しすぎます(>_<)夢主を含め、リヴァイ班みんなの内面の葛藤などを少しでも書ければと思っております！続き頑張ります！！応援ありがとうございます！！ (2015年12月14日 22時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
ミーナ - 素晴らしいですね！！！大好きです！すごく大好きです！！頑張ってください！！！なんか、人間らしさ…？何かが出ていて感動します！ (2015年12月14日 19時) (レス) id: 9ea20a320e (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - あいねこさん» 嬉しいコメントをありがとうございます！！感動しましたなんて…嬉しすぎです(ToT)応援本当にありがとうございます！！(*´∀｀)更新頑張ります！！ (2015年12月14日 8時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
あいねこ - すごく感動しました！これからも頑張ってください。応援します！ (2015年12月14日 1時) (レス) id: cc9f9b8f42 (このIDを非表示/違反報告)
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