それぞれの思い4 ― 一番の近道 ページ41
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『だから、エレン!お前…本当に頼むぞ!!』
俺だって、なんとかしたい
期待に応えたい
この力を調査兵団の為に、そして、人類の為に使いたい
巨人化の能力
それを、生かすも殺すも―――自分次第……
わかっている
わかっているけど、…あまりにも自分には、重たすぎて……
「…てめぇにも、まだ覚悟が足りねぇようだな…」
リヴァイはそう小さく呟くと、カツカツとエレンの元へ歩み寄り、ガシッとエレンの胸ぐらを掴みあげた。
至近距離からリヴァイの鋭い眼光を浴びせられ、エレンの頬を冷たいものが伝う。
「俺にはわかる。てめぇは本物のバケモノだ。調査兵団に入って、とにかく巨人をぶっ殺したい。…そう言ってたな」
「っ…は、はいっ!!」
「あれは本心だろ…?」
リヴァイの目は真剣だった。
「本心です!!巨人を駆逐するのが俺の目標です!一匹残らずッ!!」
エレンの目に鋭さが宿る。
「一匹残らず駆逐しますッ!!」
「……それでいい…」
そう言うと、リヴァイは掴んでいた手を離し、人差し指をトンとエレンの胸に突きあてた。
「だったら覚悟を決めろ。うじうじしてるてめぇのツラ見てると、イライラしてくる。…てめぇの力がわからないことだらけなのは理解しているつもりだ。だがな、今のところその力を使えるのはお前しかいない。…だったら、その命をかけて精一杯あがけ。必ず使いこなせるようになれ。それが巨人を駆逐する一番の近道だ。…そうだろう?」
「…は、はい…っ!!」
「だったら、メソメソしてんじゃねぇ。また今度泣きごと言いやがったら、即刻俺が削いでやるからな」
「っ…はい!!わかりましたッ!!」
「……わかればいい、クソガキ」
そう言うと、リヴァイは小さく息をついた。
兵長も、俺のことをちゃんと考えてくれてるんだ…
エレンはそう思った。
そうだ、うじうじ考えても仕方がない
この力は今のところ自分しか使えない
だったら、巨人駆逐のために、最大限の努力をしよう
人類の為にも…
そして、俺のことを本気で考えてくれている人達の為にも……
エレンはギュッと強く拳を握った。
「…ちっとはマシな表情ができるようになったじゃねぇか」
リヴァイがエレンを見ながらそう呟いた時、廊下の向こうから声がかかった。
「リヴァイ兵長!ハンジ分隊長がお呼びです!」
「…チッ、クソメガネ。ようやく戻ってきやがったか。…エレン、行くぞ」
「は、はいっ」
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まやや - Wwwハンジwwwwwアニメでは団欒の後に出てくるからそれがここでも生かされてる(?)面白い。ちょっとえちちな展開もいい。嫉妬しちゃう、第三者目線でしか見れないから。。つら (2020年10月24日 0時) (レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ミーナさん» コメント感謝です!!嬉しいお言葉を、たくさんありがとうございます!!本当に嬉しすぎます(>_<)夢主を含め、リヴァイ班みんなの内面の葛藤などを少しでも書ければと思っております!続き頑張ります!!応援ありがとうございます!! (2015年12月14日 22時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
ミーナ - 素晴らしいですね!!!大好きです!すごく大好きです!!頑張ってください!!!なんか、人間らしさ…?何かが出ていて感動します! (2015年12月14日 19時) (レス) id: 9ea20a320e (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - あいねこさん» 嬉しいコメントをありがとうございます!!感動しましたなんて…嬉しすぎです(ToT)応援本当にありがとうございます!!(*´∀`)更新頑張ります!! (2015年12月14日 8時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
あいねこ - すごく感動しました!これからも頑張ってください。応援します! (2015年12月14日 1時) (レス) id: cc9f9b8f42 (このIDを非表示/違反報告)
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