人類最強と私の恋愛事情5―未知への挑戦―【進撃】【リヴァイ】

見えない敵4　　―敵は何なのか ページ21

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現場に着くと、周りは騒然としていた。

ハンジは半狂乱で、自ら命名した巨人の名前を叫んでいる。
巨人からは蒸気が放たれ、ほとんど形がなくなっていた。

エレンが呆然として、その光景を見つめていると、ふいに後ろから両肩を掴まれた。


「…君には、何が見える…？」


そう語りかけたのは、エルヴィンだった。
真剣な青い瞳が、真っ直ぐ前を見据えている。


「…敵は何だと思う…？」

「…………」


エレンは戸惑うばかりで、何も答えられなかった。

…敵…？
…敵は……巨人しか…ない…だろ…？

それとも、違うって、…団長は言いたいのか…？


「……すまない。…変なことを聞いたな…」


エルヴィンがエレンに語りかけた言葉が、すぐ傍にいたAの耳にも入ってきた。

…敵は…何なのか……？

蒸気を上げる巨人の骸を見つめる。


被検体を殺害した犯人

もし仮にそれが、…巨人に関する謎に近づくのを阻止する為の犯行だとしたら……

その、人間は……人類の……


「おい！A、エレン、行くぞ。…後は憲兵の仕事だ」


リヴァイの声にハッとする。


「…エレン、行こう…」

「は、はい！」


踵を返すと、二人はその場を後にした。



………



バスタブのお湯に浸かり、思わずふぅ…と息をつく。
就寝前のお風呂は最高だな、と身体を包む温かさを感じながら、Aは目を閉じた。

今日も一日疲れた。
立体起動の訓練や、書類の整理、昨日できていなかった庭の掃除(最悪)←、夕食の支度(苦手なんで超負担)←、その片付け(超面倒臭い)←……


そして、朝一に起こったあの事件が、今日一日の中で何度も繰り返し頭に浮かんできた。

見張りの目撃情報によると、犯人は二名。
立体起動を使っていたことから、兵団内の兵士であることにほぼ間違いないだろう。

立体起動装置の総チェックなど、憲兵による犯人探しが行われたが、結局犯人はまだ見つかっていないという。



団長が口にした言葉が、気になる……


リヴァイ班のメンバーも皆、団長の言葉を聞いていた。
さっきまで、ぺトラと紅茶を飲みながら、そのことについても話していたけど、結局団長が意図するところはわからない。


――敵は何なのか……


もし仮に、被検体を殺した犯人の目的が、巨人に関する情報の隠ぺいに関わるものだとすれば、


――その人物は人類の敵……なのか？


だが、そんなことをして、一体なんの意味があるというのだろう……


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