壁外調査前4 ―キーホルダー ページ47
・
街の中。
にぎわうお店が立ち並ぶ。
地下街とは違う、明るい華やかな場所だった。
見るもの全てが新鮮に映った。
「…オイ、迷子になるんじゃねぇぞ」
前を歩く兵長が言った。
周りに夢中になって、いつの間にか距離が空いていた。
慌てて駆け寄る。
それにしても、この人掃除用具ばっかり買ってるけど……
団長が言ってたように、たぶん本当に潔癖症なんだな。
両手に持たされた荷物を見て、そう思った。
―…っていうか、コレただの荷物持ちだよね。…ムカつく……
歩いていると、ふと店先に飾ってあるキラキラしたものが目に入った。
近づいて見てみると、ガラス細工でできた星の形をしたキーホルダーだった。
透明なガラスの中に、金色の粉が散りばめられている。
こんなもの初めて見た。
綺麗だな……
そう思って眺めていると、いきなり後ろから思い切り頭を叩かれた。
「迷子になるなと言ってるだろうが…っ！」
「…っ！！…すみません！」
慌てて後をついていく。
途中、「休憩だ」と言って、小さなカフェに入った。
慣れない場所で少し緊張する。何を注文していいかわからず、同じものにしてもらった。
出てきたのは、綺麗な色をした紅茶だった。そっと口にしてみる。
「…悪くねぇだろ？」
「……すごく美味しいです！」
私は素直にそう答えた。
本当にすごく美味しかった……
帰り際、ちょっとそこで待ってろ、と言われ、街角で五分くらい待たされた。
戻ってきた兵長は、手を出せ、と私に言う。
すると、差し出した手のひらに小さな包みを置いた。
「…え？……これは…？」
「…お前にやる」
不思議に思いながら小さな包みを開けてみると、私がさっき店先で見ていた星型のガラスのキーホルダーが入っていた。
「えっ！？…兵長、なんで…っ！？」
「…さあな。俺の気まぐれだ。…いらねぇなら捨てろ」
「…いえ、……嬉しいです！」
背を向けた兵長にそう言うと、
「今日は素直だな、クソガキが。…少しは気分転換になったか？」
「…………」
その時、この人は私の為にわざわざ外に連れ出してくれたんだ…、と初めて気づいた。
私は何と答えていいかわからず、はい…、とだけ小さく答えた。
私はただ素直に嬉しいと、そう思った……
・
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まやや - あとプロローグ上手いですね、書くの (2020年10月24日 23時) (
レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
まやや - 主人公強い。礼儀正しくもなって成長した。リヴァイからしたらお前以外の女はおれの女にはなれない、無二一つって感じなんやろな。素敵。愛されたくなったわ (2020年10月24日 23時) (レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
はむ - 文章力すごいな。。え、シオンなんていましたっけ？笑 (2020年10月23日 4時) (レス) id: 33eccdc675 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ちはっぴーさん» いえいえ、教えて頂いてすごく嬉しかったですヽ(；▽；)ノいや〜本当につい最近まで気付かず…というか疑問にも思わず（汗）part8で気づいたので、8からこっそり修正されてます^^;他の作品も少しづつ修正しますね！応援嬉しいです！すごく励みになります！（≧▽≦） (2017年7月31日 22時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
ちはっぴー(プロフ) - あぁぁお忙しい中返信わざわざ有難うございます(；＿；)そして気づいてたのに指摘なんてしてしまって申し訳ございません(；＿；)これからも頑張ってください！最近毎日の楽しみがこの小説を読むことなんです！応援してます！ (2017年7月31日 16時) (レス) id: 332e33c9db (このIDを非表示/違反報告)
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