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三文字のコトバ ページ34

*



足早にAは去ろうとした。



階段の下で待っている神兎のこともあったが、何よりも頭をちらつく家族の存在を



家族の手を



振りほどきたかったから。



そこで現れたのが、あの不良少年共。


しかも、襲っている相手が神楽だというオプションつき


いつの間にか身体は動いて



「次、神楽に手ェ出したら殺す。」



口も動いていた。



Aは黙ってそこを去る。



「何で!!」



後ろから声が聞こえる。



ピシャン。という音がした。


そちらを横目で見ると、神楽の転んでいる姿が見えた。


それを無視して去っていく。


それでも立ち上がった神楽は、遠く離れたAの背中を追う。


そして、階段を降りていく背中を見つけた。



「どこいくの。」



ギュッと手元の傘を握りしめて、服の汚れなんて気にもせずに様々な感情のこもった涙をこらえて


ボヤけた視界で昔と変わらないはずの背中を見ていた。



「マミーをおいて、どこいっちゃうの」



きっと、戻ってきてくれる。


そんな期待を抱いて、口を開いた。



その姿はどことなく




「母さんが、あんな事になってるのに。それでも、行くの?」




そう神晃に聞いたAと似ていた。



何を思ったのか、その背中は止まった。


本当に、戻ってきてくれるかもしれない。


神楽は嬉しくなった。


振り向いたその顔は笑っていたから。


大好きな笑顔を浮かべていたから。



「失せろ」



その口から発された、たった三文字の言葉。


だけれど、その三文字は幼い少女の心を抉るには充分だった。


光のない瞳を神楽から階段の下へ向け、言葉を続ける。




「弱い奴に用はない」




*

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設定タグ:銀魂 , 神威 , 成り代わり
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宇宙 - 凄い面白いです!おススメします! (2019年11月24日 18時) (レス) id: 851b2213db (このIDを非表示/違反報告)
黒金 - あお果実さん» ありがとうございます!そう言ってもらえると、とても嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2019年3月6日 20時) (レス) id: 16e0ec3fb6 (このIDを非表示/違反報告)
あお果実(プロフ) - とても面白いです!これからも応援してます(*´∀`) (2019年3月6日 16時) (レス) id: 11c4dc89d1 (このIDを非表示/違反報告)
黒金 - momoさん» ありがとうございます!私も、こうして見ると何だかしみじみとしてしまいます・・・・。小さい頃から壮絶な人生送ってますよね・・・・。これからも更新がんばります! (2019年3月3日 23時) (レス) id: 16e0ec3fb6 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 初めまして!銀魂の成り代わり小説少ないし、神威の成り代わり見た事無かったので書いてくれて嬉しいです!!こうやってみると神威恵まれ無さすぎて推せに推せる.......。これからも更新楽しみにしてます。無理をしない程度に頑張って下さい( *˙ ˙* ) (2019年3月3日 22時) (レス) id: afb06b4870 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒金 | 作成日時:2019年2月23日 22時

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