【銀魂】まっすぐ兎

ヌケガラ ページ11

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そこに立っていたのは、一人の大人


「やれやれ、この星の不良少年は教育がいき届いてねェな。敵の妹ってのは質に入れるか人質にとるかだろ。つい指導しちまった。」


目の前で倒れている奴等なんか比べ物にならない。


冗談抜きのホンモノの悪党のセリフ


「子兎。お前も悪党になりたくねェなら、妹ぐらいは護れるようになるこった。」


だが悪党にしては、ヤケに優しい顔つきでAの事を見つめていた。



「オイ阿伏兎。何やってんだ。」


その顔は悪党に戻り、仲間達の方へと歩いていく。



「何でもねェ。野グソしようとしたら、もうクソが転がってただけだ。」



路地裏に取り残された背中は丸くなっていて、神楽を見つめる瞳は暗い。


護れるようになることが、強くなること。


でも、今のままでは護る(つよくなる)ことが出来ない。



何をするべきか



何になるべきか



何もわからないまま、ただ項垂れるしかなかった。


涙を流すしかなかった。



「Aか？そんなとこで何やってんだ」


後ろから近づいてくる足音と声。


何も答えることが出来ない。


「オイA───神楽？神楽！！」


神晃は周囲を見つめ状況を確認すると、神楽を抱きかかえる。


そして、ヌケガラのようになっているAの手を引いて家に向かって走り出した。




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