放浪少女は今日も自由に海をいく【ONEPIECE】 (ページ47)

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「焦らないでよ、焦る必要なんかないんだから」

俺の膝に乗っているせいでAの方が数センチ目線が高い。でも、俺はソファに腰で座っているし、背筋も伸ばさず猫背気味、対するAはバランスを取るためなのかしゃんと背筋を伸ばしているにも関わらず、その差はほんの数センチしかない。ほぼ、見つめあっているような状態。

笑いを止めたAの声が、妙に頭に響く。

「私がどれだけここが好きか、そろそろ分かって信じてよ」

「行動で示せ」

「示してるじゃん」

「居なくなるな」

「居なくならないよ」

言葉だけ並べれば、ああ言えばこう言う、みたいな押し問答なのに、Aの言葉には何故か説得力がある。「馬鹿野郎が」と呟くと「それはごめん」と返ってきた。認めんのかよクソ。
はぁと溜息をついて、項垂れた。Aが俺の頭を両手で包むようにして、髪を撫ぜる。

「私は絶対居なくならないよ。世界がローを殺そうとしても、憎んでも、絶対に。貴方を壊そうとするのが貴方自身だったとしても。
私だけは、絶対にそれを許さない」

突然降ってきた言葉は、
愛というには可愛げがない。