放浪少女は今日も自由に海をいく【ONEPIECE】 (ページ46)

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自由なAは、俺の手の中で囲っておけるほど大人しくはなくて、おれのものになるなんてのは、きっと嫌なのだろうが。なんて考える。手放してやるつもりは毛頭ないが、「おまえは俺のだ」というのが、些か勝手すぎる自覚は少し、

「うん、そうだよ、」

考えていた思考を遮ったのはAの声。
は、として、Aの顔を見る。

「わたしは、ろーくんのものだよ」

へにゃり、とまた笑った。

は、ばかかこいつ。阿呆なのか。そんなの、どう考えても狡いだろ。
なんの躊躇いもなく、不服を声に出すことも無く、さも当たり前のように、ずっと前からそうだったじゃん、みたいな顔をしている。なんだそれ。こっちの一人相撲かよ。

「………………じゃあ、少しは言う事を聞け、我儘娘」

「勧誘されたって聞いてあせったー？」

悩んだ末、驚きを喉奥に押し込めて、そう嗜めたのに。こっちの我慢なんてなんのそので飄々と笑うAが恨めしい。

「…！焦っ、っ、てねぇよ」

「ふはっ」

大嘘を付く。嘘だともきっとバレている。
肩を震わせながら笑うAは、口元に手を当てているけれどちっせぇ歯が見え隠れするくらいには大きな口を開けて笑っていた。