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解っている。Aは文字通り俺に心臓を預けるくらいなのだから。
Aにとって、海賊になるというのは生半可な覚悟で出来るような事じゃ無かった。その1歩を踏み出させたのは、俺だ。
ふふふ、と笑ったAは、
まだ酔っ払っている。ふにゃふにゃと笑って、楽しそうに揺れて、俺の髪を指で弄ぶ。
もういいか、と諦めてAを横にして抱いた。毛布を取ってくるくると包むと、「ふわふわ」と言って嬉しそうに笑う。
その笑顔の方がどうも「ふわふわ」という単語が似合っている気がするのだか、生憎そんな単語を俺は使わないのでよく分からん。
「ろーは意外と、あったいね」
「当たり前だろ生きてんだから」
「くっそ冷たい眼光してるくせに」
「余計なお世話だ」
「うそだよ嘘、すごい優しい目だよ」
桔梗の花みたい。きれいだよ。なんて拍子抜けしそうなことを言う。そんなことを言うのはAだけだ。
「毒あるだろ、」
「でも薬にもなる」
ほらまた、ああ言えばこう言う。
そうこうしていると、眠くなってきた、とAが呟いて、おやすみと笑う。
「…………秒かよ」
呟いてすぐ、Aは寝息を立て始めた。Aにしては頑張って起きていたのだろう。
「……おやすみ」
寝ているAの前髪をさらりとかき分けて、現れる額に、そっと唇を落とす。
これくらいは、許されたい。
甘ったるい癖に、香り高くて後味は苦い。
幾重に重ねられた風味は、その本体を覆い隠すように飾って、飲みやすさに甘えていると、簡単にこちらを捉えて、あっという間に酔いがまわる。どんどん深くに、溺れてしまう。
そんな感じ。がする。
………Aが飲んでいたカクテルは。
ああ、俺も酔っているのかもしれない。
最後に一気飲みしたカクテルの味が、喉の奥に残っている気がした。
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酔ったAちゃんをでろろでろに甘やかす
ローさんが描きたかったはずなんだけど、
気付いたらこうなってました。
一生好きな女の子に勝てないローさんも好きです。
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作者名：幸せうさぎ | 作成日時：2023年2月9日 0時
