検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:14,505 hit

4 ページ6

『か、香織さん…
御手洗ってどこですかね…』

「ん?あぁ、あそこよ」

『あ、ありがとうございます!
ちょっと外しますね』

いくらお酒を飲んでいないと言っても
その分ジュースをひたすら飲んでいるから
トイレに行きたくなるのは普通だろう…

トイレに行く途中
とてつもなく盛り上がってる卓があった
気にしないでトイレに行って
出てくるとシャンパンコールが始まった

「シャンパン!
シャンパン!
貴方が今宵のプリンセス!
シャンパン!シャンパン!
ガンガン飲んでねプリンセス!」

……あれ。この声
と言うかこのコールは彼しかいないではないか!

ひょこっと覗くとやはり彼がいて
一瞬目が合った気がした

彼も仕事中なので
私はそそくさと香織さんのところに戻る

いない…
まじかよ…

誰かいい人がいたら指名していいわよ
今日は私持ちだから♡

と書き置きも。

どうしたものか…
そう思って座りちびちびとジュースを飲み始める

『うーん…この時間だったら
仕事終わってるよなぁ…
帰るか……?』

「初めまして、お姫様」

まって、なんか変な人きた
あんまかっこよくないし!

「おひとりですか?
私と楽しんでくださいませんか?」

ひぇ…嫌だなぁ…

『あ、いえ、連れの人がいたんですが
外してしまったようで…
帰ります…』

「そんな…
是非1杯だけでも…!」

するりと腰に手を回してきたぞ!
図々しいな!
お前、客いないだろ!!

『いや、本当に帰るんで…
離して頂けませんか?』

「何故です?
私と飲むのは嫌ということですか…?」

そんな上目遣いみたいなのしても可愛くないぞ!
それやって可愛いのは乱数さんだからね!
どうやって断ろう…

『あの、本当に、今日は…!
つ、次来た時じゃ駄目ですか…??』

「今日がいいんです!」

待って、この人本当にホスト向いてないよ
やめた方がいい!
顔近い!やだ!

肩を押し返しても余り意味なくて
どうしようと困っていたら
ふわりと後ろから抱きしめられて
男と引き離してくれた

「お待たせ、子猫ちゃん
ごめんね?待たせちゃったかな?」

『あ、ま、待ってないです…!』

「悪いね、
君はどこか違う卓に行っていいよ」

「で、ですが!」

「行っていいって言ってるよね?」

「ひっ!し、失礼します!」

パタパタと戻っていた男の人

「Aちゃん?」

小さな声で呟かれた名前

『はい、そうですよ』

「また……会えた…」

彼の泣きそうな声は周りの音にかき消された

5 追加しました→←3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (53 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
135人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:りんご | 作成日時:2018年7月2日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。