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【nqrse】ピンクグレージュ/こんぺいとう。 ページ12
幸せを色で表すなら、きっとピンク色だと思う。
そんな抽象的な感情に浸ってしまうのは、幼い頃から共に居たなるせちゃんの放つ言葉が可愛いピンク色だから。彼といれば幸せになるのだと、子供の頃に安直な考えを持っていた。
「なるせちゃん」
パソコンに向かって作業する彼に寄りかかって構って攻撃をしてみれば、軽く背中で押し返されてしまった。
「あ、いたーい」
「ハニーが邪魔するのが悪いですー」
確かに作業の邪魔をしたのは悪いと思っているけど、そんなふうに返すのはどうかと思いますよ?
「ごめんね?」
「あら、素直」
「構ってーっ」
「あら、ワガママなこと」
駄目ですか?と後ろから抱き締めれば、仕方ないなと言ったように後ろを振り返って正面から抱き締め返してくれる。
「何?…今日は甘えたさん?」
「うーん……」
強いて言うなら、幸せを分けてほしかった。遠くくすんでしまった色を色鮮やかに戻して欲しかった。
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