11話 ページ11
…
それから数ヶ月が過ぎ、あっという間に秋を迎えた。
今は10月だ。まだまだ沖縄は暖かい。
夕飯を食べ終わり、寝る準備が整ったところで、一日の最後に少しでも慣れようとサッカーボールを手にする。
もうすぐ私も2歳になるのだが、最近ちょっと困ったことがある。
「おいA!こっちで遊ぼう!」
「えーサッカーボールで遊びたい」
「だめだ!早く来いよ!」
私がサッカーボール(おもちゃだけど)で遊んでいると、にーには必ずと言っていいほど遊びに誘ってくる。パズルや恐竜ごっこ、絵本の読み聞かせもしてくれる。それはありがたいのだが、あまりボールに馴染めないでいるのが現状である。
あと口調が段々男らしくなってきた。すてき。
「ほら見てみろ。綺麗な沖縄の海だ」
そう言い、にーには嬉しそうにはにかみながらパズルの箱を見せてくる。
一面が透き通るような海の写真で、右下に浜辺が顔を覗かせている。上には晴れ渡った空が海を見下ろしていた。
良い写真だとは思う。これを見たら、確かに自分がちっぽけに感じてしまう。
しかし母よ、3歳と2歳の児童にこのパズルはどうなのだろうか。
「海は広いぞ。休みの日は父さんが海に連れてってくれるんだ。それでサーフィンを教えてもらうんだ」
え、危な。くれぐれも死なないようにお願いします。
「今度はAも一緒のやろう!」
「こわいからサッカーする」
「なんでだよ!サーフィンの方が楽しいし!」
少し涙目になって訴えてくる姿は、今すぐスマホで撮りたいくらい可愛い。
サーフィンに付き合ってあげたいのは山々だが、サッカーを上達させるのを優先させたい。許せ兄貴、お前もサッカーをするときが来るだろう……。
「なんだよ……。Aは俺と遊ぶよりサッカーしてる方が楽しいのかよ……」
とうとうぐずり始め、私に背を向けた。
幼い頃の綱海が女々しいな。
身体が赤ちゃんである為、前なら絶対に眠くならない時間帯でも瞼が重たくなってしまう。
早く寝たいし、ひと頑張りするか。
「にーに」
「………」
「私にーにのこと大好き!サッカーよりも!」
「……ほんとか」
「うん!」
私が笑顔で頷くと、にーには顔をパアアッと輝かせ、涙を引っ込ませる。
「じゃあパズルしよう!」
じゃあじゃない。寝かせてくれ……!
イチャイチャしてる二人を描きたかったんじゃあァァァァ!!→←10話
182人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レイ - 続きお願いします! (2022年5月15日 17時) (レス) @page32 id: c51717b503 (このIDを非表示/違反報告)
冷(仮) - 葉兎野鳥さん» 私、この作品好きです!更新楽しみにしております! (2019年1月10日 1時) (レス) id: 43543d3530 (このIDを非表示/違反報告)
葉兎野鳥(プロフ) - 鈴松信@違反報告する時は声かけてね(´;ω;`)さん» コメントありがとうございます。二人は基本的にそういうことが得意な設定です。仲は良いけど付き合ってません。お互い友達という認識です。男女の友情は成立します! (2018年12月3日 18時) (レス) id: fad212b8a4 (このIDを非表示/違反報告)
鈴松信@違反報告する時は声かけてね(´;ω;`)(プロフ) - 山田んと田中んいい仕事するなぁ…w (2018年11月24日 12時) (レス) id: e085487720 (このIDを非表示/違反報告)
葉兎野鳥(プロフ) - ぴーさん» 私もこの二人大好きです!いでよ、私のやる気! (2018年10月27日 19時) (レス) id: fad212b8a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みどりんご x他1人 | 作成日時:2018年9月23日 16時