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「Aさん」
「よく頑張ったね、偉いよ、炭治郎。
これからも、きっと辛いことはあるだろうけど、負けずに頑張って。辛いときは言って。
一人で抱え込まないで。助けを求めれば、手を差し伸べてくれる人がいることを忘れないで。
······これは私の我が儘だよ」
何も知らない奴にこんなこと言われても困るかな。でも言わずにはいられなかった。
そっと、炭治郎の背中に手を回して軽く抱き締めると、彼の鼓動が聞こえた。
「っ、俺······は」
声が震え、次第に嗚咽が聞こえてきた。
今まで塞き止めていたものが、溢れたように涙を溢していた。
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炭治郎視点
初めてあったときは、Aさんが不思議で、掴めない人だと思った。
確かにそこに存在するのに、ふと見たら消えてしまいそうな儚い人。
いつもいつも、俺たちを優しい眼差しを向けて見守ってくれる人。
優しすぎる人。その優しさに直に触れて、どうしようもない切ないような気持ちが込み上げて
恥ずかしいながらも、Aさんの肩を借りて泣いた。
俺に話しかけてくれているとき、どこまでも深い慈愛の匂いと、
微かに隠れた悲しみの匂いが、鼻を突いた。
俺には、その悲しみの匂いを深く探ることはまだ出来ない。けれど、何か抱えているのは分かる。
いつか、この人を縛る悲しみを断ち切ってあげれるような人間になれるだろうか。
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レミィ - 面白かったです!今コロナが流行っているので気を付けてください! (2020年3月9日 11時) (レス) id: edb0276662 (このIDを非表示/違反報告)
ぴっぴ - とても面白かったです!私もこんな小説が書けるようになりたいです! (2020年1月28日 16時) (レス) id: 113690dea7 (このIDを非表示/違反報告)
Kaede(プロフ) - 零さん» 本当ですね、すいません!ありがとうございます! (2019年10月17日 1時) (レス) id: 7af5a2cf72 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 「吾妻」じゃなくて「我妻」だと思います。間違ってたらすみません (2019年10月16日 23時) (レス) id: ac710565be (このIDを非表示/違反報告)
Kaede(プロフ) - 雪乃さん» 教えてくださりありがとうございます!すぐに直します!指摘コメントありがとうございました! (2019年10月13日 10時) (レス) id: 7af5a2cf72 (このIDを非表示/違反報告)
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