カワイイは、最強なんだよ？【ハイキュー】

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ふぅ、と一息ついた肥前はこちらを見て問いかけた。

｢なぁ…お嬢｣

｢なぁに？｣

｢なんでおれを呼んだんだよ。別に加州あたりで良かっただろ｣

そう言いそっぽを向いてしまう肥前。

｢ふふ、私も肥前くんともっと仲良くしたいし、先生だなんてけずるいから！｣

｢…めんどくせぇお嬢だな……｣

｢あ、そんな事言う肥前くんにはもう美味しいお肉あげないから！｣

｢……は！？…わかったよ……｣

｢えぇ、そんなにヤなの？｣

｢んな事いいだろ、さっさとこいつ縛るぞ｣
｢こら〜流さないで！…まぁ、そうだね｣

持ってきた縄を坂東にまきつけ、ぎゅっと窒息しない程度にキツく締めておく。

｢あ、来た！翔くん！こっちだよ〜！｣

｢遅れてすまんな、で？こいつを連れてけばいいんだな？｣

目の前の男は審神者としての担当である掛川翔。
実は小さい頃からよく居たので兄みたいなものである。

｢ったく、人使いが荒いお嬢です事｣

｢ちょっと〜！そういう事は言わないでよ！｣

｢じゃ、俺は行きますね〜｣

そう言い出て行く掛川の背を見つめ、ふふ、と笑っていると部屋の周りから気配を感じた。

｢お嬢、誰だ｣


｢大丈夫、遡行軍じゃないよ。
きっと…どこかの主将の人だから｣

｢ならもう大丈夫だな。おれはかえ｣

｢えぇ、もう行っちゃうの？じゃあまた本丸でね
明日が終わればそっちに帰るから｣

｢遮るなよ……待っててやるから無事でな｣

ガシガシと頭を掻きながらそっぽを向いて少しデレる姿はとても珍しく、とても可愛らしかった。

｢勿論、怪我ひとつなくもっとカワイくなって帰ってくるね！｣

｢いつも通りだな、じゃ｣

｢またね｣

そう言い、舞う桜と共に消えていく肥前。
少し寂しいな、と感じるがあと一日過ごせば本丸に帰るという事を頭に入れ仕事を頑張ろうと意気込んだ。

｢Aさん？ここにいたのか｣

｢あ、澤村さん！
すみません、抜け出してしまって…センパイは警察に渡しましたので、もう大丈夫です！｣

｢あぁ、だからか…まぁ、君が無事でよかった｣

｢ふふ、はい！｣

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