瓜江久生には姉がいるようです 2

無題 ページ36

ずるっずるっと何かを引きずる音が聞こえる

旧「ふっふっふふ〜ん」

と、旧多が鼻歌を歌う

旧多は何かを手にしていた

そして立ち止まり

旧「負けちゃいましたね カネキくん」

そう笑って言った

旧「大事な人も守れないで」

金「は・・ぇ・・？」

ドサっとカネキの前に何かが放り投げられた

金「え・・」

旧「そりゃもう なさけない最後でしたよ 貴方の声が聞こえたら何を思ったか僕に背を向けて走り出したんですよ〜」

金「A・・・ちゃん」

カネキは はってAに近づいた

まだかすかに息はしている

まだ間に合う

そう思った時だった

カネキの顔に生暖かいものがついた

旧「さよーなら Aさん」

金「・・うわぁぁぁぁぁぁぁっ！！ Aちゃん！Aちゃんっ！！」

旧「アハハハハっ！！」

旧多は大笑いしだす

金「Aちゃんっ！」

また失ってしまう

居なくなってしまう

大事な人が

そんな考えがカネキの頭をグルグル回る

貴「・・カネ・・・」

Aがカネキを見る

カネキはそれに気づく

金「Aちゃん・・！」

貴「・・おね・・・い・・」

力を振り絞りなんとか口にする杏

貴「・・・いき・・て」

Aはそう言って笑った

そして目を閉じた

金「A・・？」

カネキがAを呼ぶ声だけが響く 必死に呼びかけてもAが目を開けることはない

カネキの頭にはAの笑顔が蘇ってくる

そして笑顔のままいう『生きて』と

金「・・うん」

生きるよ 僕

カネキはそう決めた

Aちゃんの為に

生まれてこようとしていた子のために

生きる

カネキは立ち上がった

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